研究課題/領域番号 |
19K17348
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
長島 隆一 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん先進治療開発研究部, 研究技師 (20783707)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ILC3 / IBD / Nrf2 |
研究開始時の研究の概要 |
急増する小児IBDにおいて、酸化ストレスが増悪因子となっている可能性が指摘されているが、酸化ストレス制御因子Nrf2の役割は未解明である。最近になって、3型自然リンパ球(ILC3)が腸内環境の維持を担っていることが明らかとなり、Nrf2が小児IBDの病態制御を行っている可能性が急浮上した。本研究では、Nrf2によるIBD制御機構の解明に取り組む。Nrf2によるILC3制御に関する学術的基盤を構築し、Nrf2活性化による新たなIBD治療戦略の基礎を築く。
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研究成果の概要 |
炎症性腸疾患(IBD)はその発症に自然免疫系の関与が深いことから、3型自然リンパ球 (ILC3)における酸化ストレス応答系Keap1-Nrf2経路の関与を解析した。DSS腸炎モデルにおいて、粘膜固有層由来のNKp46を発現するILC3はNrf2遺伝子欠損マウスで優位に増加し、IL-22産生能も高かった。Nrf2活性化剤を投与すると、Nrf2欠損マウスで観察された一連の減少が逆転し、腸炎改善に寄与することが示唆された。本研究は、ILC3が腸炎制御に重要な役割を担い、それらが酸化ストレス応答系Keap1-Nrf2経路により制御される可能性を示唆した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、小児期に克服すべき炎症性腸疾患(IBD)の病態解明を目指し、比較的安全性の高いNrf2活性化剤を使用することで、腸炎に関与する新規リンパ球であるILC3の側面からIBDを捉えることに着目した。また、ILC3とKeap1-Nrf2経路の関連性は明らかになっておらず、本研究はその新しい制御機構の解析に迫った点で学術的意義は高い。小児期にIBDを克服することは、その後の社会生活への影響も抑えることができ社会的意義も高いと考えられる。
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