研究課題/領域番号 |
19K17358
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西中 瑶子 京都大学, 医学研究科, 助教 (80789644)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 一過性骨髄異常増殖症 / 発がん / 多段階発がん / ダウン症候群 / 白血病 |
研究開始時の研究の概要 |
一過性骨髄異常増殖症(TAM)は、ダウン症候群患児の生下時に合併する前白血病疾患である。TAM患者のうち約20%は一度寛解を経た後、追加変異を獲得し、急性巨核芽球性白血病(AMKL)へと進展することが知られている。このtrisomy21を背景にGATA1変異が生じた際に発症する前がん状態を経て、さらなる追加の遺伝子変異を獲得した際に真のがんへと病態進展する経緯は、多段階発がんモデルと考えられている。 本研究では、この TAM/AMKLモデルを用いて、多段階発がんとしての白血病発症に繋がる遺伝子変異の獲得のメカニズムを解明することを目標としている。
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研究成果の概要 |
多段階発がん説に則って説明可能な疾患モデルを用いて、発がんを誘導する遺伝子変異獲得機序を解析した。 具体的な実験としては、disomy21(d21)とtrisomy21(t21)の多能性幹細胞ペアを用いて分化段階ごとに比較した。 その結果、 変異獲得及び、DNAダメージ修復機構が働く過程においては、初期造血前駆細胞 の分化段階まででは、d21とt21細胞間に有意な差は認められなかった。一方で細胞増殖能は、未分化な状態では有意差は認められなかったが、血液前駆細胞分画においてt21細胞で細胞周期が亢進している傾向が認められた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がんは日本人の死因第1位として知られており、その発生・進展は、ゲノム変異の蓄積によるクローン進化を基本原理とする、いわゆる多段階発がん説によって説明される。本研究は、多段階発がんのモデルとして知られるダウン症に合併する白血病に着目し、疾患特異的iPS細胞を用いて、その発症メカニズムを解析したものである。特色としては、細胞が遺伝子変異を獲得する流れを3段階に分けて定義することで、解析を可能としたことにあり、この定義は今回の対象疾患に留まらず、他のがん解析にも応用出来るものであると考えられる。
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