研究課題/領域番号 |
19K17365
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
杉本 真弓 徳島大学, 病院, 講師 (20771314)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 食物アレルギー / アトピー性皮膚炎 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、アトピー性皮膚炎をはじめとする湿疹への積極的介入による食物抗原への感作予防や食物アレルギー発症予防に関する研究が報告されている。一方で、一旦食物アレルギーを発症したアトピー性皮膚炎合併患者における、積極的なアトピー性皮膚炎治療による食物アレルギーの改善効果については明らかではない。 本研究は、食物アレルギー児における、皮膚バリア機能・炎症・掻痒を反映する各種バイオマーカーと食物アレルギーの重症度・予後との関連を明らかにし、それらを指標とした食物アレルギーの早期寛解治療としてのアトピー性皮膚炎の治療戦略の確立ならびに食物アレルギーの遷延化・重症化予防に寄与することを目指したものである。
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研究成果の概要 |
即時型鶏卵アレルギー児を対象に、アトピー性皮膚炎の重症度および皮膚バリア機能、炎症、掻痒を反映する各種バイオマーカーと、食物アレルギーの重症度および臨床経過との関連を検討した。経口負荷試験で評価した鶏卵アレルギーの重症度は、アトピー性皮膚炎の重症度を示すSCORAD scoreおよび血清TARCで正の相関を認めた。また、鶏卵アレルギーの臨床経過の指標としての1年後の鶏卵摂取蛋白量は、血清TARCおよび血清IL-31と負の相関を認めた。 以上より、鶏卵アレルギーの重症度および臨床経過において、アトピー性皮膚炎の病態を反映するバイオマーカーのうち、特に皮膚炎症との関連が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
鶏卵アレルギーの重症度と臨床経過において血清TARCとの相関を認め、アトピー性皮膚炎の病態の中で特に皮膚炎症との関連が示唆された。血清TARCは、アトピー性皮膚炎患者においては保険診療で測定が可能なバイオマーカーであり、アトピー性皮膚炎を合併する小児鶏卵アレルギー患者の診療で血清TARCを測定し、その速やかな低下および低値の維持を図ることで、鶏卵アレルギーの重症化・遷延化の予防への寄与が期待される。また、本研究開始後の小児アトピー性皮膚炎の治療選択肢の増加で、特に重症度の高い小児アトピー性皮膚炎患者においても皮膚炎症の抑制が可能となり、鶏卵アレルギーの臨床経過への好影響も期待される。
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