研究課題/領域番号 |
19K17366
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
井上 真紀 大分大学, 医学部, 助教 (20726913)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 橋小脳低形成10型 / tRNA fragment / 神経細胞死 / p53 / PKM2 / ゼブラフィッシュ / 橋小脳低形成 / RNA代謝 / 神経変性疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
小児期発症の神経変性疾患である橋小脳低形成は、transfer RNA(tRNA)代謝に関連する遺伝子の変異により発症するが、その病態分子機構は不明である。本研究では、橋小脳低形成10型において、RNA代謝異常の結果として細胞内に蓄積しているtRNA由来の小RNA(tRNA fragment)が、がん抑制因子p53の過剰な活性化を介して神経細胞死を惹き起こす際に関与する分子を同定し、その分子機能の解析を行い、神経細胞死に至る分子メカニズムの全容解明を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、神経変性疾患である橋小脳低形成10型の患者や動物モデルにおいて細胞内に蓄積しているチロシンtRNA前駆体から由来の5 '側のエクソン断片(5' Tyr-tRF)が、がん抑制因子p53の過剰な活性化を介して神経細胞死を惹き起こす際に関与する分子を同定し、その分子機能の解析を行うことを目的とした。解析の結果、5' Tyr-tRFはPyruvate kinase M2(PKM2)と結合すること、PKM2 mRNAは5' Tyr-tRFによって誘導される神経細胞死を改善することを解明した。その結果、5' Tyr-tRFがPKM2を介して惹起する神経細胞死の分子機構の一部を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、神経変性疾患の病因となり得るチロシンtRNA前駆体から由来の5 '側のエクソン断片(5' Tyr-tRF)とPKM2の関連性を明らかにした。 5' Tyr-tRFの蓄積は、橋小脳低形成10型の細胞だけでなく、酸化ストレスに応答した野生型細胞でも観察されることが分かっている。そのため、5' Tyr-tRFはアルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病などの他の神経変性疾患の病因に関与している可能性があると推測される。5' Tyr-tRFとPKM2は、これらの神経変性疾患の診断や治療のための、標的分子になり得る可能性がある。
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