研究課題/領域番号 |
19K17378
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
川嶋 章弘 昭和大学, 医学部, 講師 (10783376)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 胎児治療 / ダウン症 / 間葉系幹細胞 / 脂肪組織由来幹細胞 / 精神神経発達遅滞 |
研究開始時の研究の概要 |
ダウン症は精神発達遅滞を含めた症状を呈し思春期以降の生活力の低下を来す。母体血中のcell-free DNAを用いたダウン症の出生前診断により早期治療介入が可能となった。しかし、胎児期の治療法は未だ確立されていない。応募者は母体由来の脂肪組織間葉系幹細胞に着目し、脳神経細胞の再生と機能改善を目的とした胎児治療法の開発に取り組んでいる。現法で、移植片の生着の妨げとなる母体の免疫反応を抑制し移植早期の生着率の向上に成功している。本研究課題では、ダウン症モデルマウスに応用し母体間葉系幹細胞を用いた胎児治療の有効性を証明する。本研究成果は染色体疾患や遺伝性疾患をもつ胎児に対する胎児治療の可能性を示す。
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研究成果の概要 |
間葉系幹細胞による胎児治療は以前から検討されているが、胎児には母親の免疫細胞が存在し移植細胞が退治に生着する際の主な障壁になる。そこで母親の間葉系幹細胞を利用し投与した幹細胞の生着率を向上させる方法を考えた。マウスを用いた実験で母獣の脂肪由来間葉系幹細胞を胎仔の脳室内に投与し生体での神経分化の有無および胎仔脳への生着を検討した。結果、胎仔脳へ投与した母親の脂肪組織由来間葉系幹細胞は出生後も長期に生着し成熟神経細胞様に分化した。さらに母獣より抽出した幹細胞では移植後の炎症反応が抑制された。本研究の結果は先天性中枢神経疾患の胎児治療のリソースとして母体幹細胞は有用である可能性を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では脂肪組織由来間葉系幹細胞が細胞外で神経細胞様の電位変化とタンパク質を発現することを確認し、さらに投与された胎児の脳組織内で神経細胞様に分化し生着することを明らかにしてきた。 胎児期に母体脂肪組織由来間葉系幹細胞 が生着した野生型マウスにおいて非投与群との間に明らかな運動性の異常などを認めないことを確認しているため、現在ダウン症モデルマウスでの機能改善を確認しく。胎児に対する幹細胞治療の臨床応用はその安全性と倫理的な問題から研究段階であるが、細胞リソースの特性や移植免疫応答を考えると母親から採取できる脂肪由来間葉系細胞を用いた胎児治療は応用が可能な幹細胞の一つとなると考ええ
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