研究課題/領域番号 |
19K17386
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構村山医療センター(臨床研究部) |
研究代表者 |
長谷部 洋平 独立行政法人国立病院機構村山医療センター(臨床研究部), 電気生理学研究室, 共同研究員 (90622374)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 小児 / 視床下部 / 呼吸循環調節 / アストロサイト / 呼吸循環調節機構 / 膜電位イメージング / 先天性中枢性呼吸調節障害 / 循環調節 / グリア細胞 / 先天性中枢性肺胞低換気症候群 / 呼吸調節 / ROHHAD症候群 / 摘出間脳-脳幹-脊髄標本 |
研究開始時の研究の概要 |
視床下部の機能不全をきたす小児疾患では,低換気症状がみられるが,視床下部の機能不全で呼吸障害が起こる機序は不明で,その治療法も確立していない.そもそも視床下部が呼吸調節機構において果たす役割も解明されていない.研究代表者は新生ラットよりの摘出間脳-脳幹-脊髄標本を用いた実験で,視床下部が呼吸促進性の役割を担っていることを示す結果を得たことから,視床下部が呼吸調節機構において重要な役割を果たしているとの仮説を提唱する.本研究は,視床下部の機能不全を呈する小児疾患が呼吸障害を起こす機序を解明することを究極の目的とし,その基礎的検討として,呼吸促進性に働く視床下部の領域,細胞の特定を目指す.
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研究成果の概要 |
新生ラットから作製した間脳-脳幹-脊髄の摘出標本を用いた膜電位イメージング実験を行い、視床下部に呼吸神経出力と同期して活動する領域の存在を同定した。組織解剖学的解析によって、視床下部の室傍核や背内側核と重要な呼吸調節領域である延髄吻腹外側野との間で神経結合があることを確認した。低酸素状態を感知するセンサーであるアストロサイト特異的TRPA1チャネルを欠いたマウスを用い、低酸素後の呼吸増強の持続にはアストロサイト特異的TRPA1チャネル受容体は関与していないこと、アストロサイトは他の機序によって低酸素後も呼吸増強を持続させている事を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
中枢性肺胞低換気症候群やROHHAD症候群など、原因不明の小児呼吸調節障害の病態が視床下部の機能不全である可能性が指摘されているが、その詳細は明らかでない。本研究では、この問題の解明に資する、視床下部と延髄呼吸中枢の機能的、解剖学的結合の詳細が示された。また、呼吸中枢における神経細胞の持続的な活動にアストロサイトやミクログリアの役割が重要視されているが、本研究では、小児呼吸器疾患を有する患者が遭遇する低酸素状態に注目し、実験による検討を行った結果、アストロサイトが低酸素曝露中および曝露後の呼吸応答を担っていることが示された。これらの成果は小児における呼吸調節の機序解明の一助になると考えられる。
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