研究課題/領域番号 |
19K17389
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
今 孝志 山形大学, 医学部, 客員研究員 (10829740)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | TET2 / 5-hmC / 大腸癌 / 肥満 / AMPK / メタボリックシンドローム / エピゲノム / 5hmc / 5hmC |
研究開始時の研究の概要 |
なぜ肥満やMetSが大腸発がんを引き起こすのか、その直接的な分子機序は不明な点が多い。近年、細胞内のエネルギーセンサーであるAMPKを介した腫瘍抑制因子TET2の活性調節がDNAのエピジェネティック修飾を制御し、高血糖状態における発がんに促進的に作用することが報告され、TET2は肥満、MetSによる大腸発がんに深く関与している可能性がある。本研究では、ヒトのゲノムや組織、動物モデル、細胞株を用い、肥満関連大腸がんにおけるTET2の変異解析やTET2の発現レベルとその不安定性に関する機序を解析することで、肥満、MetSからの大腸がんを直接的に結び付ける分子メカニズムを明らかにする。
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研究成果の概要 |
肥満関連大腸癌では非肥満の大腸癌に比べて腫瘍部の5-hmCやTET2が低下していました。また肥満で変化する代表的な代謝因子であるインスリン、グルコースを大腸癌細胞株に投与すると増殖活性を上げ、TET2の発現を低下させました。RNA干渉と呼ばれる方法でTET2の発現を強制的に抑制すると、細胞増殖活性が上昇しました。一方、薬剤により細胞内のエネルギーセンサーであるAMPKを誘導することで、TET2の低下や細胞増殖活性が抑制されました。これらの結果から肥満関連大腸発がんにAMPK-TET2という新しい経路が関与していると考えました。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本邦で増加している肥満関連大腸癌に肥満やメタボリックシンドロームの増加に伴って本邦では大腸癌が増加しています。この肥満に関連した大腸癌の発生機序を明らかにすることで、この大腸がんの増加に歯止めをかけ、また有効な治療や予防法を開発できると考えます。本研究の結果から肥満関連大腸発がんにAMPK-TET2という新しい経路がかかわっていることが考えられ、これは新しい診断マーカーや治療標的になる可能性があります。
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