研究課題/領域番号 |
19K17394
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
林 智之 金沢大学, 附属病院, 特任助教 (30782065)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 肥満外科治療 / 内視鏡下胃内バルーン留置術 / スリーブ状胃切除術 / 腸内細菌叢 / Escherichia coli / 非アルコール性脂肪性肝炎 / 腸内細菌叢・ウイルス叢 / 胃内バルーン留置術 / 腸内ウイルス叢 / 糖尿病 / 高血圧 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ほぼ確実な減量効果が見込める肥満外科治療に注目し、糖尿病・高血圧・NASH改善の定量的な評価と、経時的な腸内細菌叢・ウイルス叢のメタゲノム解析により、腸内細菌叢・ウイルス叢の変化と糖尿病・高血圧・NASHの改善との関連性を明らかにする。 本研究により仮説のエビデンスを得て、糖尿病・高血圧・NASHそれぞれのサブタイプに関連する腸内細菌叢・ウイルス叢を同定することで、肥満外科治療による糖尿病・高血圧・NASHそれぞれの改善効果の予測法、およびこの腸内細菌・ウイルスへの介入による治療法の確立が期待出来る。
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研究成果の概要 |
肥満との関連性が指摘されている腸内細菌叢に注目し、肥満外科治療(内視鏡下胃内バルーン留置術とスリーブ状胃切除術)前と6ヶ月後で腸内細菌叢の変化を経時的に評価し検討した結果、肥満治療後に腸内細菌叢は大きく変化することが分かり、22の細菌分類の割合が有意に変化していた。特に、肥満治療前の細菌に着目すると、治療後に比べてEscherichia coli(E. coli)が多く、治療後には15例中全例で明らかに減少したことが分かった。以上の結果から、肥満者のもつ病的な腸内細菌がNASHのおける肝線維化や炎症を増悪させていることが推測された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肥満外科治療前後で腸内細菌叢の変化を経時的に評価・検討した結果、肥満者のもつ病的な腸内細菌がNASHのおける肝線維化や炎症を増悪させていると考えられ、今回我々は、E. coliとNASHとの関連性に着目することができた。肥満者の便のシーケンシングにて肥満患者から分離したE. coliの遺伝子を解析し、NASHにおける肝の炎症、線維化を起こしうる病原性遺伝子を同定する。本研究により、腸内細菌・腸内環境の整備に照準を合わせたNASHの治療法を開発し、将来的に腸内細菌叢を調整する創薬につながる可能性がある。
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