研究課題/領域番号 |
19K17405
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
田中 信悟 札幌医科大学, 医学部, 助教 (60561024)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | NASH / NAFLD / MUTYH / モデルマウス / 鉄過剰 / 肝細胞癌 / マウスモデル / 抗酸化療法 / 酸化的DNA傷害修復酵素 / マイクロRNA核酸医薬 / 抗酸化剤 / 鉄過剰食 / 酸化ストレス / マウス |
研究開始時の研究の概要 |
NASH動物モデルは数多く報告されているが,その病態を完全に模倣する動物モデルは存在せず,このことが治療法開発の進まない原因と考えられている.申請者らは酸化的DNA傷害修復酵素MUTYH欠損マウスに高脂質・高糖質・鉄過剰食を給餌してNASHモデルマウスを作成し,肝発癌することを確認した.本研究では同マウスとヒトNASHとの類似性をトランスクリプトーム解析にて評価し,さらに新規抗酸化療法の開発を目的とする.本研究はNASHにおける酸化的DNA傷害修復酵素の酵素活性と肝発癌の関係に焦点をあてた研究であり,NASHの病態解明および新規抗酸化剤の開発に寄与すると考える.
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研究成果の概要 |
申請者らは酸化的DNA傷害修復酵素MUTYH欠損マウスに高カロリー・高酸化ストレスを負荷した新規NASHモデルマウスを作成した.本研究は同マウスの評価および新規抗酸化療法の開発を目的とした. 高脂肪,高コレステロール食+鉄過剰食(HFHC+Fe)を給餌したマウスの肝組織内に酸化ストレスの指標とされる4-HNEおよび8-OHdG量の増加を認めた.MUTYH-nullマウスにHFHC+Feを給餌したところ25%のマウスに肝腫瘍を認めた.遺伝子発現を比較したところ,ヒトの肝細胞癌で比較的高頻度に認められるWnt/β cateninシグナル異常の関与が明らかとなった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
マウスモデルとヒトの類似性を考える上で,NASHをメタボリック症候群の肝臓部分症として捉えることが重要視され,肥満やインスリン抵抗性を示さないマウスモデルの使用が減少している.例として,メチオニン・コリン欠乏食モデルは従来広く使用されてきたが,体重減少,低血糖,低インスリン血症を呈するなど,メタボリック症候群と正反対の表現型を呈する. ヒトのファストフードに類似した食餌を与え肥満となり,かつ酸化ストレス負荷を与えることで肝発癌をきたす本マウスは,これまで報告されたマウスの様々な問題点を解決できる可能性がある.
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