研究課題/領域番号 |
19K17420
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
滝川 哲也 東北大学, 大学病院, 助教 (70836882)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 膵癌 / バイオマーカー / エクソソーム / lncRNA / long non-coding RNA / オルガノイド |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者らは膵癌の線維性間質形成に中心的な役割を果たしている膵星細胞に着目し、膵癌-膵星細胞相互作用の観点から膵癌進展に関わる分子機構の解明を行ってきた。さらにこの相互作用のメディエーターとしてエクソソームとマイクロRNAが関与していることも明らかにしてきた。臨床的に明らかな膵癌が形成されるまでには膵癌-膵星細胞相互作用が長期にわたって持続するため、エクソソーム分泌やその内容物も特異な変化を来している可能性が高い。これらの結果を踏まえ本研究では膵液中エクソソームに着目し、膵癌-膵星細胞相互作用の持続によるプロファイル変化の解明・早期診断に有用な新規バイオマーカーへの応用を目指す。
|
研究成果の概要 |
膵癌患者と良性疾患患者の血清からエクソソームを単離しRNAを抽出した。次に両患者間のエクソソーム中の遺伝子プロファイルの相違を次世代シークエンサーを用いて解析した。本研究では、近年様々ながん腫の発生や進展に関与していると注目されているlong non-coding RNA(lncRNA)に対象を絞って検討を行い、膵癌患者で顕著に上昇するlncRNAを12種類、低下するincRNA16種類をバイオマーカーの候補として同定した。今後は候補lcnRNAについて、どの組み合わせが診断に最も有用か、早期の膵癌診断にも応用できるか、といった検討を追加していく予定である。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膵癌はわが国の部位別癌死亡数の第4位を占め、高齢化の進行に伴い今後さらなる患者数の増加が予想される。膵癌は外科的切除が唯一の根治療法であるが、画像診断技術が進歩した現在においても早期診断が困難であり、新しいバイオマーカーの開発が期待されている。 本研究では、血清エクソソーム中のlong non-coding RNが新しいバイオマーカーの候補となり得ることを示した。血液検体採取は比較的簡便で侵襲も少ないため、検診における膵癌スクリーニングなどへの応用も期待される。
|