研究課題/領域番号 |
19K17431
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
佐藤 克彦 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (40838843)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 膵癌 / 糖尿病 / バイオマーカー |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は事前実験で下記の2点を確認している①膵発癌モデルマウスにストレプトゾトシンを用い高血糖を誘導すると、膵発癌が促進する。②in vitroの実験系で膵癌細胞株に高血糖を負荷すると、膵癌細胞の内分泌マーカーが上昇する。本研究では、高血糖が膵癌の発育進展に与える影響を検討し、糖尿病併存膵癌の早期発見マーカーを模索することを目的とする。方法として、膵癌細胞株への血糖負荷および各種膵発癌モデルマウスに糖尿病を誘導することで高血糖と膵癌の関連性に迫る。網羅的解析を行い、高血糖と膵癌の関連因子を検証し、内分泌能獲得およびマーカーとなりうる分泌蛋白を模索し、糖尿病併存膵癌の早期発見の可能性を探る。
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研究成果の概要 |
糖尿病は膵癌のリスクとされている。本研究では膵発癌モデルマウスに糖尿病を誘導することで膵癌細胞株の内分泌マーカーが上昇することに注目し、糖尿病併存膵癌の発生機序の解明および早期診断マーカーを見出すことを目的とした。本研究では、複数の膵癌モデルマウスに高血糖を誘導することで膵癌が促進するかを確認した。進行癌を呈する膵発癌モデルマウスでは膵発癌進展は確認されなかったが、高グルコースで培養した膵癌細胞株は低グルコースで培養した膵癌細胞株と比べて、腫瘍増殖が早いことが分かった。この現象は免疫不全マウスにヒト膵癌細胞株を植え込んだ場合および免疫を持つマウスに独自に樹立したマウス膵癌細胞株でも確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々の研究は糖尿病と膵癌の関連性に注目し、糖尿病併存膵癌の進展機序および早期診断マーカーを同定することを目的とした。進行膵癌を形成する膵発癌モデルマウスでは高血糖が膵発癌を促進するかは明らかにできなかった。高グルコースで培養した膵癌細胞株は低グルコースで培養した膵癌細胞株と比べて、より大きな腫瘍を形成することが確認された。糖尿病の中の高血糖という一側面が膵発癌を促進することを我々は確認し、学会および論文に発表している。糖尿病と膵癌は非常に関連が深く、今後の検討が望まれる。
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