研究課題/領域番号 |
19K17443
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
清原 裕貴 北里大学, 北里研究所病院, 医師 (20626379)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 炎症性腸疾患 / チオプリン / NUDT15 / NUDT15遺伝子 / 白血球 / アポトーシス / チオプリン製剤 / 6-dTGTP / DNA |
研究開始時の研究の概要 |
炎症性腸疾患患者へのチオプリン製剤の使用により、白血球数が減少することがある。炎症を惹起する白血球数の減少が、治療予後にどのような影響を与えるのかについては不明な点が多く、本研究は観察研究によってこの点を明らかにする。また、日本人の約20%に存在するNudix Hydrolase 15(NUDT15)遺伝子変異を有する患者は白血球減少が起こりやすく、より少量のチオプリン製剤が投与されるが、本邦における至適投与量を判断する指標は確立されていない。本研究では、チオプリン製剤の代謝産物である6-デオキシチオグアノシン3リン酸の白血球DNA中濃度の、至適投与量の判断指標としての有用性について検証する。
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研究成果の概要 |
NUDT15遺伝子変異を有する炎症性腸疾患患者において免疫調節薬(IM)による重篤な白血球減少が起こる機序解明を目的とした。IM使用患者のリンパ球DNAにはIMの代謝産物であるdeoxy-thioguanosine (dTG)が取り込まれるが、NUDT15 R139C変異により末梢血単核球DNAへdTGの取り込みが促進していた。また単核球DNA中のdTG濃度と末梢血リンパ球数の間に負の相関があり、IM未使用患者由来の末梢血CD4+T細胞と、IMの誘導体である6-thioguanineの共培養により、NUDT15遺伝子変異を有する患者でリンパ球のアポトーシスが促進されることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によりNUDT15遺伝子変異(R139C)の存在によって、白血球減少が相対的に低用量の免疫調節薬の使用でも起こりやすい機序の一つが明らかとなった。将来的に、リンパ球DNA中のdTG濃度が、個体差の大きいIMの至適投与量の評価として有用である可能性が示されたことに加え、NUDT15遺伝子多型(R139C)を有する患者においては、特にこのdTGのリンパ球DNAへの取り込みを介したアポトーシスが促進されており、IMの薬理学的な作用とアポトーシスとの間に関連がある可能性が示され、これまで十分に明らかとなっていなかったIMの作用機序解明の一助となりうる。
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