研究課題/領域番号 |
19K17449
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 帝京大学 (2020-2023) 弘前大学 (2019) |
研究代表者 |
羽賀 敏博 帝京大学, 医学部, 助教 (80771625)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 胆道がん / 初期浸潤病巣 / 概日リズム / 微小環境 / 時計遺伝子 / 胆道癌 / 線維化 / 早期癌 / 線維性間質 |
研究開始時の研究の概要 |
胆道癌における微小環境特性として、初期浸潤病巣においても癌細胞周囲に線維化が生じ、脈管侵襲や神経周囲浸潤が顕著になることが挙げられる。癌細胞と周囲の間質の相互作用を含む微小環境が癌の悪性度に重要な役割を果たしている。これらの相互作用は概日リズムを形成する時計遺伝子 [bHLH (basic Helix-Loop-Helix) 型転写因子] を基盤に形成されるという仮説に基づき、時計遺伝子の発現と、癌細胞増殖、癌細胞・間質との相互作用の機序を証明することにより、胆道癌初期浸潤病巣における癌微小環境の病態解明と増殖制機構の構築を目標とする。
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研究実績の概要 |
計遺伝子DEC1とDEC2は全身のあらゆる臓器で発現しており、日内リズム、免疫や癌化、低酸素応答、アポトーシス、組織分化の制御など多彩な制御機構を持つ。 胆道癌初期浸潤病巣における微小環境形成は、これら時計遺伝子機能が基盤として形成されることを証明するため、時計遺伝子発現における癌微小環境の解明を試みている。 2019年度は、ヒト胆道癌細胞株における時計遺伝子との関係を検討することにより、時計遺伝子の意義を一部明らかにすることができたものの、外科切除標本を用いて実際に病理所見と符合するかの検証 (例えば、免疫組織化学染色でタンパク質の発現の有無や腫瘍における遺伝子解析)が十分できておらず、再検を要する項目が認められた。 2020年度からは、実験環境が大きく変化したため早期胆道癌の外科切除材料を中心に検討を開始していた。研究機関が変わったことに伴い、既往標本の再評価お よび適切な検体の抽出を行う作業で予想以上に時間を割かざるを得なかった状況である。さらに日常業務に時間がとられ、研究を中断せざるを得ない状況が持続した。そのため研究継続期間の再延長を申請している。少量ながら免疫組織化学染色を併用し早期病変周囲での線維化・CAFの発現、標的タンパクの発現の有無を検討している。2023年度は、研究を中断せざるをえない状況であった。今後、典型的な初期胆道がんとして認識される標本を用い、全トランスクリプトーム空間解析などを含めアプローチを変え検討する可能性がある
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年4月より研究環境が変わり、既存の研究データや細胞株の引き継ぎが困難となった。 これまでの研究で分かりつつあることを、新たな環境下で再検すべく研究環境を整えていた為遅延している。加えて、日常業務により研究にまとまった時間が取れなく、細胞培養などが行えなくなり、当初想定していた実験系を中断せざるを得ない状況になっていた。 これまで行ってきた培養系から外科切除材料を用いた検討にアプローチ方法を大きく変えたことが、進展の遅延原因の主要因となっている。さらに、適切と思われる外科切除検体が乏しいことも一因である。
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今後の研究の推進方策 |
外科切除材料を用いて免疫組織化学染色を検討し、必要に応じ遺伝子解析を加える。 背景粘膜を含んだ早期胆道がん病巣を全トランスクリプトーム空間解析などを行うことにより、腫瘍の phenotype 毎の RNA 発現の違いがあるかを確認し、時計遺伝子の解析につなげたい。 それらの情報が得られた段階で必要に応じ細胞培養や遺伝子発現、タンパク質発現を再度確認する。欲を言えば、臨床病理学的評価を加えた検討・解析を行いたい。
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