研究課題/領域番号 |
19K17459
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
塩出 悠登 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (10838840)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 胆管癌 / 非古典的NF-kB経路 / 肝内胆管癌 / 形質転換 / がん抑制遺伝子 / 胆管細胞癌 |
研究開始時の研究の概要 |
胆管細胞癌は予後不良な疾患として知られているが、その発症のメカニズムや起源細胞は十分解明されていない。網羅的な癌遺伝子同定法であるトランスポゾン挿入変異スクリーニングを行い、胆管細胞癌の発症・進展に関する新規癌遺伝子候補Xを同定した。遺伝子Xを肝特異的欠損させたマウスを作成したところ、早期に胆管細胞癌を発症したことから、遺伝子Xは胆管細胞癌の発症や進展に寄与していることが明らかとなった。そこで本研究では、細胞培養・マウスモデル・ヒト臨床試料を用いた解析により、遺伝子Xと胆管細胞癌との関連についてその発症・進展に関わる分子基盤や起源細胞を解明し、胆管細胞癌の治療標的としての有用性を明らかにする。
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研究成果の概要 |
胆管癌は原発性肝癌のうち、肝細胞癌の次に多い疾患であり、予後不良な疾患として知られている。胆管細胞癌は危険因子として原発性硬化性胆管炎や肝吸虫症などの慢性胆管障害、炎症の存在が以前より知られているが、そのメカニズムは明らかにはなっていない。この胆管癌発癌のメカニズムが明らかでないことが胆管癌治療開発の妨げになっていると考えられる。我々は胆管癌の新規の癌遺伝子を同定し、それを基に新規の胆管癌モデルマウスを作成した。また、このマウスに発生する胆管癌は肝細胞から胆管細胞への分化転換を介して起こることを証明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回我々が発見したTraf3という遺伝子はこれまで胆管癌との関わりは報告されておらず、新規の癌遺伝子である。当遺伝子の発見にはトランスポゾン挿入変異スクリーニング法という、胆管癌に対してはこれまで行われたことのない方法を用いており、このことが新規の癌遺伝子の発見につながったと考えている。また、Traf3を欠損させて作成した胆管癌モデルマウスは短期間で胆管癌を発癌し、今後の治療実験への活用が期待される。肝細胞から胆管への分化転換を阻害することで胆管癌の治療を行うことが可能になれば、今までにないメカニズムでの治療となり、胆管癌の予後改善に寄与することが期待される。
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