研究課題/領域番号 |
19K17462
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
内田 大輔 岡山大学, 大学病院, 講師 (50749215)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 遺伝子治療 / 腫瘍免疫 / ICI / REIC / PD-1 / DKK3 / DKK-3 / REIC/Dkk-3 / 膵癌 / 胆管癌 |
研究開始時の研究の概要 |
REIC遺伝子治療は、様々な癌腫に対する抗腫瘍効果が報告されている。近年注目されている免疫チェックポイント阻害薬に関しては、REIC遺伝子治療の抗腫瘍効果の一つである腫瘍免疫の誘導を増強することが期待される。本研究では、胆道癌、膵癌などの難治癌における免疫チェックポイント阻害薬を併用したREIC遺伝子導入治療による抗腫瘍効果の検証を行い、臨床応用可能な治療法の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
REIC/Dkk-3遺伝子(以下REIC)は、様々な固形癌において発現が低下しており、アデノウィルスベクター(Ad-REIC)を用いてREIC遺伝子を強制発現させることにより、様々な固形癌において癌細胞特異的なアポトーシスを誘導することが報告されている。前立腺癌、悪性中皮腫、肝癌、膵癌については医師主導治験が開始されており、今後、他剤との併用効果についても臨床試験による評価を検討中である。膵癌、 胆道癌、肝細胞癌においては、基礎実験における抗腫瘍効果が既に示されており、抗癌剤併用によるシナジーも報告している。本研究では、胃癌、大腸癌といった消化管癌細胞株においても検証を行い、Ad-REICによるアポトーシス誘導能を確認した。またREICの腫瘍免疫効果に着目し、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)とAd-REICの併用による抗腫瘍効果を検証するため種々の実験を行った。Ad-REICによるREIC遺伝子導入の副産物として産生される過剰なREIC蛋白が樹状細胞の分化誘導を促し、腫瘍抗原提示およびキラーT細胞活性化に よる腫瘍免疫を誘導することは既報にて報告したが、ICIを併用することでさらに腫瘍免疫効果を誘導することが期待される。膵癌細胞株、胆道癌細胞株、胃癌細胞株、大腸細胞株をそれぞれヒト末梢血単核細胞(PBMC)と共培養し、Ad-REIC、およびICI(ペンブロリズマブ)を負荷した際の効果について実験を行った。癌腫や細胞株による違いはあるものの、PBMCの細胞障害性が亢進することが確認された。今後はimmunocompetent mouseを用いたin vivo試験において、Ad-REIC+ICI併用療法の抗腫瘍効果の検証を行う予定である。併せて、REIC強制発現下の腫瘍微小環境における免疫細胞の変化の検証についても検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
COVID-19感染拡大により制限されていた実験環境が大幅に改善しており、前年度より進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き消化器癌に対するAd-REIC+ICI治療の有効性について、細胞実験、動物実験を推進していく。次年度はとくにin vivoでの検証を中心に実施する。
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