研究課題/領域番号 |
19K17465
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
|
研究機関 | 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
西川 達哉 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所), その他部局等, 腫瘍循環器科診療主任 (80781757)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | G-quadruplex / LMNA遺伝子 / Lamin A/C / 大腸がん / LMNA / Lamin / colon cancer / 機能性RNA |
研究開始時の研究の概要 |
LMNA遺伝子より転写、翻訳されるlaminタンパク質は、がん細胞ではその発現制御に異常が認められることが報告されている。このLMNA遺伝子より転写されるmRNAの1つであるvariant6はユニークな3つのエクソンを含んでいる。そのエクソン領域が機能性RNAとして、がん細胞における悪性度に関与している可能性がある。本研究では、このVariant6がプロモーター領域のG-quadruplexによりどのように発現制御されるのか、そしてがん細胞においてどのような機能をもっているのかを解析することにより、将来的な大腸がんの治療ターゲットや、悪性度のマーカーなどの開発を目的としている。
|
研究成果の概要 |
Lamin A/Cタンパク質はLMNA遺伝子から転写・翻訳される。LMNA遺伝子の転写産物1つを今回LMNA-V6と名付けこの転写産物の解析を行った。このLMNA-V6のプロモーター領域には6つのG-quadruplex構造をもつ領域が存在しており、それらがLMNA-V6の発現制御を行っていた。さらに、LMNA-V6は機能性RNAとしてLMNA遺伝子の主要産物である、Lamin A/CのmRNA発現を制御していた。LMNA-V6のノックダウンや過剰発現モデルの網羅的な解析にて、大腸がん細胞ではp53遺伝子発現が変化することがわかり、がんの悪性形質転換などに関している可能性が示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
LMNA遺伝子はがん関連遺伝子の1つである。本研究では、LMNA遺伝子の転写産物のうち、LMNA-V6についてその存在を証明し、機能を解析した。LMNA-V6のプロモーター領域にはG-quadruplex構造をとる領域を認め、LMNA-V6の発現を制御していた。さらにLMNA-V6は新規の機能性RNAとして、Lamin A/CのmRNAの発現制御を行っていた。また、LMNA-V6は大腸がん細胞内で、p53遺伝子というがん抑制遺伝子の発現を変化させた。LMNV-V6の制御が今後のがんに対する治療法の発展に寄与できる可能性があり、有用な研究結果が得られた。
|