研究課題/領域番号 |
19K17466
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
今井 祐輔 愛媛大学, 医学系研究科, 助教 (50805091)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 肝星細胞 / LPS / PKR / MAPK / IL-1β / NASH / 肝細胞癌 |
研究開始時の研究の概要 |
肝細胞癌の進展には、様々な肝非実質細胞がサイトカインなどを分泌することで形成する腫瘍微小環境が大きく影響する。肝星細胞は、肝臓における主要な非実質細胞であり、腫瘍微小環境の形成に寄与するため、肝細胞癌の進展への関与が示唆されている。PKRは、さまざまな刺激でリン酸化が促進され、サイトカイン分泌などに関与する。肝星細胞にもPKRの発現が報告されているが、肝星細胞におけるPKRの役割についてはいまだ不明な点が多い。本研究では、肝星細胞、PKRをターゲットとする新しい肝細胞癌に対する治療を検討する。
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研究実績の概要 |
Protein kinase R(PKR)は肝細胞癌において高発現し、癌細胞増殖促進に寄与していることが同定されている。刺激された肝星細胞(HSC)においてもPKRが高発現することが報告されているが、その生理的作用、特にHCCに対する役割は不明な点が多い。そこで、報告者はヒト肝星細胞株(LX-2)を用い、LPSで刺激されたHSCのPKR活性化と、サイトカイン産生を評価した。 LX-2をLPS(100ng/ml)で刺激し、PKR、リン酸化PKR、ERK1/2、JNK、肝星細胞の活性化マーカー(αSMA等)、サイトカイン(IL-1β等)の発現の評価を行った。LPS刺激されたLX-2ではRT-PCRで、PKR、IL-1βの発現が、コントロールと比べ有意に亢進していた。αSMAの発現に変化は見られなかった。ウェスタンブロットで、リン酸化PKRが、LPSで刺激されたLX-2で亢進していることを確認した。また、PKRの下流のMAPK経路の評価をウェスタンブロットで行った。MAPKカスケードの分子であるERK1/2、JNK、c-Fos、c-Junは、LPS刺激によりリン酸化が亢進した。さらに、ELISAでLX-2のIL-1β産生能の評価を行った。ELISAでは、LX-2からのIL-1βの分泌が、LPSによる刺激で増加した。 LPSで刺激したLX-2をPKR阻害剤で処理すると、LPS刺激によるPKRリン酸化、IL-βの産生亢進は打ち消された。 今回の検討により、LPSで刺激された肝星細胞でPKR及びその下流のMAPKカスケードが活性化し、そのPKR依存性にIL-1βの産生が亢進することが示された。
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