研究課題/領域番号 |
19K17468
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
佐々木 基 札幌医科大学, 医学部, 訪問研究員 (30784441)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 肝細胞がん / ヒストン修飾 / エピジェネティクス / がん治療 / BET阻害剤 / BRD4阻害剤 / 肝細胞癌 / エピゲノム / BRD4 / スーパーエンハンサー |
研究開始時の研究の概要 |
近年、BRD4という蛋白が癌において重要な働きをしていると報告されたが、本研究はそのメカニズムの解明を目的とした研究である。BRD4は癌の発生、維持に重要とされるスーパーエンハンサーの働きを阻害すると考えられており、本研究では肝細胞癌においてもその仮説が正しいかを解明し、BRD4蛋白の肝細胞癌における標的遺伝子を同定する事で、BRD4阻害剤の治療効果予測を可能とし実臨床での応用に繋げていくことを目的としている。
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研究成果の概要 |
本研究は、肝細胞がん(HCC)に対するブロモドメイン蛋白BRD4阻害の抗腫瘍メカニズムの解明を目的とした。BRD4阻害剤JQ1処理はHCC細胞株において細胞周期停止とアポトーシスを誘導し、増殖を抑制した。マイクロアレイ解析の結果、JQ1は遺伝子発現プロファイルに大きな影響を与えること、その中には細胞周期やアポトーシス関連遺伝子が多く含まれることを見いだした。さらに我々はHCC細胞における新たなBRD4標的遺伝子として、BCAT1, DDR1, GDF15, FANCD2, SENP1, TYRO3を同定した。本研究から、BRD4阻害による抗腫瘍メカニズムに関わる新たな遺伝子が同定された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肝細胞がんは多発や再発が多い腫瘍であり、進行肝細胞がんに対する治療法の開発は社会的意義が大きい。BRD4阻害剤の抗腫瘍効果は様々な癌種において報告されているが、肝細胞癌における研究論文はいまだ少なく、抗腫瘍メカニズムの全容は解明されていない。我々は、複数の肝がん細胞株のトランスクリプトーム解析から、複数の新規BRD4標的遺伝子候補を同定した。これらの遺伝子はいずれも肝がんで発現上昇しており、かつ発がんとの関わりがこれまでに報告されていることから、抗腫瘍効果に関わることが推測された。本研究から、BRD4阻害による肝がんの抗腫瘍効果メカニズムの一端が解明された。
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