研究課題/領域番号 |
19K17475
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
猪 聡志 昭和大学, 医学部, 兼任講師 (90568742)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 潰瘍性大腸炎 / 産後増悪 / タイトジャンクション / オキシトシン / サイトメガロウィルス / 産後 / 粘膜免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
潰瘍性大腸炎(UC)の患者数は近年激増しており、病因、増悪因子の解明は喫緊の課題である。増悪因子の1つにサイトメガロウイルス(CMV)がある。UCは妊娠中や産後に再燃・増悪しやすいことが知られているが、その原因は明らかでない。申請者らは、産後大腸粘膜には上皮機能障害が存在し、潜伏CMVが産後に再活性化し、再活性化により粘膜障害を起こす事を観察してきた。上皮機能障害に伴う免疫学的異常の背景にCMV再活性化が加わり妊娠増悪の一因になるという仮説をたてた。出産やそれに伴うCMV再活性化が粘膜免疫に及ぼす影響を明らかにし、産後増悪の予防や治療に新たな展望を見いだすことが目的である。
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研究成果の概要 |
潰瘍性大腸炎は再燃寛解を繰り返す慢性腸炎である。妊娠中や産後に再燃・増悪しやすいことが知られる。患者には出産を控えた女性が多く含まれ産後増悪の対策は喫緊の課題である。本研究では産後大腸粘膜の特徴を明らかにして、サイトメガロウィルスの再活性化が大腸粘膜に与える影響を明らかにすることを目的とした。一連の結果から、産後増悪の一因としてオキシトシンによるTJP1、OCLN発現低下を介した粘膜透過性亢進が関与する可能性が示唆された。産後増悪にはオキシトシン以外の多因子の影響があると考えられるが、今回の検討ではCMV感染の産後増悪への関与は限定的で、産後増悪の要因解明にはさらなる検討が必要と考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究を通じて産後増悪の背景には粘膜透過性亢進が存在する可能性が示唆された。粘膜透過性亢進を背景に持ったleaky gut症候群に含まれる多くの疾患(関節リウマチや橋本病やうつ病など)が産後増悪することを鑑みると、本研究で得られた知見は、潰瘍性大腸炎に限らず産後増悪する多くの疾患にも発展可能な学術的意義があると考えられる。 一方で今回の検討ではサイトメガロウイルス感染の産後増悪への関与は限定的で、産後増悪の要因解明にはさらなる検討が必要と考えられた。
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