研究課題
若手研究
本研究では、MSS大腸癌に対するNKcell療法を可能性を検証するために、マウス正常細胞の培養を可能としたオルガノイド培養技術を使用して、連続的にAPC,Kras,Braf,p53,p16,RNF43,ZNRF3,SMAD4, TGFBR2等の遺伝子変異を連続的に加えることで、各々異なった遺伝的特徴をもった大腸癌オルガノイドを作成し、NKcellと共培養することで、各、大腸癌オルガノイドがどのようにしてNKcell耐性を獲得するのかを解明することを目指します。
本研究では、大腸癌がNKcell(ナチュラルキラー細胞)に耐性を獲得するメカニズムを解明するために、MSS大腸癌およびMSI-H大腸癌を模倣する遺伝子改変マウス大腸オルガノイドをCRSIPR/Cas9技術にて作成した。癌化オルガノイドをNKcellと共培養したところ、MSSオルガノイドはNKcellに感受性を示しMSI-H癌化オルガノイドはNKcellに耐性を獲得していた。耐性獲得にTGF/Smad経路の関与がないかを検証するために、MSSオルガノイドにTGF/Smad経路に異常を来たす遺伝子改変を追加したが、NKcellへの感受性は維持されたままであった。
近年、免疫チェックポイント阻害剤の実用化に伴い、大腸癌でも同阻害剤の使用が進んでいる。しかし、既存の免疫チェックポイント阻害剤は、固形癌ではMSI-Hに分類される一部の癌にしか奏功しないことが、近年明らかになった。大腸癌でMSI-Hと分類されるのはおおよそ10%以下とされており、多くの大腸癌には無効である。本研究では、MSS、MSI-HのB6マウス大腸癌オルガノイド株を作成した。生物学研究において最も頻用されているB6近交系マウス由来のオルガノイド株を作成できたことは、NKcellに関連する免疫研究においては、MHCclass1が同一であることが重要であることか、今後の研究に有用と考えられる。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 3件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
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