研究課題/領域番号 |
19K17479
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
川本 泰之 北海道大学, 大学病院, 助教 (60755601)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 腫瘍内細菌叢 / 膵臓癌 / 超音波内視鏡下針生検 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、細菌が様々な疾患の発症や治療効果に関わる因子として注目されており、全癌腫の中でも最も予後不良な膵臓癌においても腫瘍内に細菌が存在することが報告されてきている。腫瘍内細菌の有無は化学療法の有効性に関連する可能性が示唆されつつあるが、これまでのところ臨床的に検討した研究はない。 腫瘍内細菌の検出のために手術検体を用いた既報があるが、実地臨床で化学療法を行う対象である進行膵癌は手術適応外であり、検体を入手することが困難である。本研究は、これまでに報告されていない、超音波内視鏡下針生検による膵臓癌腫瘍内細菌の検出の可能性を明らかにすることを目的としている。
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研究成果の概要 |
2019年5月から2020年3月の間に30症例から膵癌腫瘍検体を収集した。腫瘍内細菌の由来を検討するため、超音波内視鏡下針生検(EUS-FNA)検体採取時に、胃粘膜・十二指腸粘膜も同時に収集し、合計90検体が収集された。 検体解析成功率は、膵癌EUS-FNA:80%、胃粘膜:100%、十二指腸粘膜:97%であった。 膵癌FNA検体におけるα多様性は胃・十二指腸粘膜よりも低く、β多様性は膵癌FNA検体と十二指腸粘膜では組成が異なることが示された。これらの結果からそれぞれの採取部位における細菌叢の分布は異なることが示された。また、膵内の原発巣部位や制酸剤の使用による多様性の偏りは認めなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果により、EUS-FNAにより膵癌腫瘍内細菌が検出可能と判明した。 今後、血液検査所見、画像検査所見、病理学的所見、治療情報・アウトカム等との関連を検討する。それらの結果から、手術非適応症例に対する化学療法の有効性と腫瘍内細菌叢の関連の検討が可能であり、適切な薬剤選択や、細菌叢に対する治療と膵癌治療アウトカムの検討などが今後の目標である。 これらの検討や治療開発により、予後不良な膵癌の治療成績の向上が期待される。
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