研究課題/領域番号 |
19K17482
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
日下部 裕子 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任助教 (30646708)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | エピジェネティクス / 肝細胞癌 / ヒストン修飾 / 肝癌 / エピジェネティック異常 / EZH1/2 / ヒストンH3リジン27トリメチル化 / 薬剤耐性 |
研究開始時の研究の概要 |
エピジェネティクスはDNA塩基配列の変化を伴わない遺伝子発現の制御機構で、その異常は発癌に密接に関与するともに、抗癌剤耐性獲得にも関与する可能性が報告されており癌治療のターゲットとして注目される。本研究ではヒストンをメチル化することで標的遺伝子の発現を抑制して発癌に関与するEZH1/2というタンパクに着目し、肝癌におけるEZH1/2阻害剤の有用性について検証する。また肝癌の既存治療薬の投与によるヒストンメチル化状態の変化を検証することで薬剤耐性への関与の可能性を探り、EZH1/2阻害剤と既存治療薬の併用による肝細胞癌の新たな治療戦略を展開することを目的としている。
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研究成果の概要 |
EZH1/2はヒストンH3リジン27をトリメチル化(H3K27me3)することで標的遺伝子の転写を抑制し、発癌に関与すると報告されている。肝癌手術検体を用いた検討では高いH3K27me3レベルは予後不良と相関し、肝癌培養細胞ではEZH1/2阻害が細胞増殖を有意に抑制した。既存の肝癌治療薬であるソラフェニブはAktを介したセリン21でのEZH2リン酸化を抑制してH3K27me3レベルを上昇させ、ソラフェニブとEZH1/2阻害薬の併用は高い抗腫瘍効果を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肝細胞癌においてEZH2のみならずEZH1もH3K27me3レベルの上昇を介して癌の進行に重要な役割を担うことが示唆された。またマルチキナーゼ阻害剤であるソラフェニブがH3K27me3レベルを上昇させることで薬剤の耐性に関与する可能性があり、EZH1/2阻害剤とソラフェニブの併用は肝細胞癌の新たな治療戦略となる可能性が示された。
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