研究課題/領域番号 |
19K17484
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
清水 寛路 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 特任助教 (00733875)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 潰瘍性大腸炎 / クローン病 / JAK阻害薬 / JAK阻害剤 / JAKファミリー分子 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではJAK阻害薬の大腸における効果を独自に確立したオルガノイド培養系やシングルセル解析系を用い、免疫担当細胞・間葉系細胞・腸上皮細胞について分子生化学的・機能的解析を行い、同薬剤が各細胞を標的として如何なる効果を発揮し治療効果の有無が決定されるのか描出することを目指す。本研究の遂行により、複数のサイトカインシグナルが集結するJAK分子を介したシグナル伝達が免疫担当細胞-腸上皮細胞-間葉系細胞連関の中で難治性潰瘍性大腸炎の病態を制御する疾患特異的な「JAK分子ネットワーク・プロファイル」を明らかとし、「炎症の制御」と「上皮再生」が両立・協調可能な「治療最適化」の基盤構築が期待できる。
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研究成果の概要 |
潰瘍性大腸炎は原因不明の炎症と難治性の潰瘍を起こす難病である。治療には炎症を制御する薬剤が用いられ、そのうちJAK阻害薬は、炎症を引き起こす複雑なサイトカイン・ネットワークを構成するJAK経路を特異的に阻害する。本研究はJAK阻害薬が効果を発揮するために、腸管における多彩な粘膜構成細胞の如何なる細胞を標的とし、如何なる分子機序を介して効果を発揮するのか、そしてその効果の有無が規定される条件を、臨床情報の解析と、患者由来の組織検体を用いた最新のシングルセル解析を行なって解明を試みた。治療有効性を規定する因子の同定にはさらなる解析が必要であったが、臨床情報から治療効果予測に有用な因子が同定された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
潰瘍性大腸炎の治療には、免疫制御効果を持つ副腎皮質ステロイドや免疫調節薬、分子標的薬などが用いられ、分子標的薬は炎症を引き起こす複雑なサイトカイン・ネットワークの、特異的な経路を阻害して効果を発揮する。分子標的薬は潰瘍性大腸炎治療の成績を大きく向上した一方、どのように障害された腸粘膜を治癒するのか、その作用メカニズムはよくわかっていない。本研究は、患者の臨床情報と患者由来の組織検体の解析を通じて、分子標的薬のひとつJAK阻害薬の作用メカニズムの解明と、治療有効性が規定される因子の同定を試みることで、JAK阻害薬が有効である患者の拾い上げと治療効果予測の解明を目標とした研究である。
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