研究課題/領域番号 |
19K17485
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
岡田 光 金沢大学, 医薬保健学総合研究科, 特任助教 (50788916)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 肝発がん / 肝線維化 / PKM / NCID / Notch / PKM1 / PKM2 / Notch1 / Jagged1 / 腫瘍成長 / 発癌 / 再発 |
研究開始時の研究の概要 |
肝硬変を背景とした肝細胞癌患者では根治的治療後でも肝細胞癌が高率に再発する。肝細 胞癌の再発抑制が治療上極めて重要な課題である。申請者は、PKM1が肝線維化病態進行に関与し、PKM2は肝細胞癌の腫瘍成長促進に働くと同時にPKLの機能が損失していることを発見した。本研究では、肝疾患病態進行におけるPKMの生理的役割・発現制御機構を解明し、肝線維化及び肝発がん時のPKLの機能損失を正常に回復させることが肝線維化及び肝発がんの新規治療標的になり得るかを動物モデル及び培養実験で検討する。
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研究成果の概要 |
申請者は、ヒト臨床検体及びこれまでのモデルマウスから肝線維化病態進行及び肝細胞癌の悪性度の進行に伴いPKMのバリアントであるPKM1とPKM2共に発現が増加することを発現解析から確認した。PKM1は、肝星細胞を活性化させ筋線維芽細胞に形質転換することで肝線維化病態を亢進させた。PKM2は、肝細胞癌細胞のNotch1の細胞内ドメインNICDと複合体を形成し、核内のCSLを介して肝細胞癌の悪性度を高めている役割があることを示せた。これらの研究成果から、肝線維化を基盤とした肝発がん病態は、PKM2単独よりPKM1とPKM2の両方を標的とした発現阻害する治療戦略が効果的であることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肝硬変を背景とした肝細胞癌患者では、根治的治療後でも肝細胞癌が高率に再発し、再発率は年間約20-25%、5年では70%以上に上ることから肝細胞癌の再発抑制が治療上極めて重要な課題である。そのため、肝線維化・肝硬変による肝発がん機序を解明し、新規治療法につながる基礎研究が重要である。今回の研究成果から、肝線維化病態から肝発がん過程におけるPKM1とPKM2の発現制御機序の一端を解明することができ、肝線維化及び肝発がん・再発に対する新規治療標的の可能性を示せた。
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