研究課題/領域番号 |
19K17488
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所) (2020-2022) 大阪大学 (2019) |
研究代表者 |
中堀 輔 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所), その他部局等, 肝胆膵内科副部長 (60795160)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | B型肝炎 / アミノ酸代謝 / リプログラミング / 単一細胞解析 |
研究開始時の研究の概要 |
B型慢性肝炎患者の肝組織ではHBs抗原陽性細胞とHBsAg陰性細胞は不均一に分布し、HBs抗原陽性領域ではHBs抗原陰性領域と比較し、pregenomeRNA (pgRNA)やcccDNAは有意に高値であった。HBs抗原量やpgRNAレベル、cccDNAレベルにより宿主の遺伝子発現が変化することに注目し、単一細胞レベルにおいてpgRNA発現量と宿主遺伝子発現の相関を解析し、HBV複製に伴う肝細胞内の代謝機構の変化や細胞内免疫誘導によるウイルス複製制御機構を解明する。
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研究成果の概要 |
B型肝炎患者の肝臓では、HBs抗原陽性細胞と陰性細胞が不均一に分布している。HBs抗原陽性細胞が集簇している領域では、陰性細胞が集簇している領域よりも、pgRNAやcccDNAは有意に高く、宿主の遺伝子についてはBCAT2(branched chain amino-acid transaminase 2)の発現は有意に高かった。 リベラ―ゼ灌流法を用いると、非硬変肝からは80%程度の高い生細胞率にて単一細胞分離が可能だった。一方、硬変肝から単一分離した細胞の生細胞率は30%であった。肝臓から単一分離した細胞の生細胞率は背景肝の炎症や線維化に依存する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
癌細胞では、近年代謝リプログラミングとして、アミノ酸代謝が癌細胞の生存や分裂増殖、転移などに必要なエネルギーやタンパク質・核酸などの供給に関与していることが報告された(Hattori A, et al. Nature. 2017)が、B型肝炎ウイルス複製においても分岐鎖アミノ酸代謝が関与している可能性が示唆された。 リベラ―ゼ灌流法では、非硬変肝からは高い生細胞率にて単一細胞を分離することができたが、硬変肝から単一分離した細胞では高い生細胞率を維持することはできなかった。線維化や炎症の程度が強い肝臓からの単一細胞分離の手法について改善や見直しが必要があると考えられた。
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