研究課題/領域番号 |
19K17492
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
平山 晴子 岡山大学, 自然生命科学研究支援センター, 助教 (40635257)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 消化管 / グレリン / 大腸運動 / 脊髄 / 排便 |
研究開始時の研究の概要 |
グレリンは、脊髄腰仙髄部の排便中枢に作用し、大腸運動を亢進する。しかし、この作用の詳細な機序には不明な点が多い。よって本研究では、脊髄におけるグレリンの大腸運動亢進作用について、脊髄から大腸に至るまでの経路における作用機序を詳細に解析し、排便機構におけるグレリンの役割を明らかにする。実験にはラットを用い、麻酔下ないし覚醒下での大腸運動や神経活動の測定実験、また、形態学的手法や電気生理学的手法により、検討する予定である。
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研究実績の概要 |
グレリンは、脊髄腰仙髄部の排便中枢へ作用し、大腸運動を亢進する。この作用については、in vivoの実験系によって確認されているが、詳細なメカニズムについては不明である。本研究は、脊髄排便中枢を介するグレリンの大腸運動亢進作用の作用機序や作用経路について、詳細を明らかにすることを目的とする。前年度に引き続き、以下について検討を行った。 (1)麻酔下ラットを用い、グレリンの脊髄投与時の大腸内圧変化について、大腸内の複数箇所を同時に測定し、作用部位の詳細な特定を行った。得られた結果をもとに、形態学的検討に繋げる計画を立てている。 (2)ラットの骨盤神経の活動記録を行うことにより、作用機序の解明を目指している。麻酔下ラットの骨盤神経に電極を留置し、グレリンの脊髄投与時における神経の複合活動電位記録に挑戦している。グレリン投与時の反応についてはまだ記録できていないが、骨盤神経の特性を確認すること、また手技の確立および安定化を目的とし、例数を重ねている。また並行し、データの解析方法の検討を行なっている。 (3)脊髄神経のパッチクランプ法による活動記録については、前年度より引き続き、ラットの骨盤神経節に標識色素を投与し、逆行性に脊髄の神経細胞をあらかじめ標識した上での実験を行なっている。脊髄神経の標識には成功したものの、未だ神経活動記録には至っていない。当該年度の実験においては、実験に適したラットの週齢(より幼若な週齢を使用)、脊髄採取の適切な手技、また、使用する標識色素の種類について検討し、今後の実験に向けた示唆を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験手技について、確立および条件設定に時間がかかっており、進捗が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
当該年度に引き続き、大腸における作用部位の詳細特定およびそれに続く形態学的検索、骨盤神経の活動記録、ならびに、脊髄神経の活動記録について検討を行う。骨盤神経-脊髄神経間の経路については、追加で形態学的検索についても行いたいと考えている。またこれらの実験と並行して、すでに得られている結果をまとめ、学会発表および論文投稿を目指したい。
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