研究課題/領域番号 |
19K17493
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
二宮 悠樹 広島大学, 病院(医), 専門研究員 (40838736)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | PCCRC / dMMR / PIK3CA / 癌ゲノム解析 / missed cancer |
研究開始時の研究の概要 |
現在まで当院での約1900症例の大腸がん治療後サーベイランス症例の集積の結果,34例のPost-colonoscopy colorectal cancer (PCCRC)を同定しており,近位結腸の頻度が高く,扁平隆起性病変が多かった。初年度にPCCRCの内視鏡拡大所見や病理組織学的所見の特徴の同定,gDNAの抽出,MSI関連の免疫染色,ベセスダ5領域のフラグメント解析によるMSI解析,大腸癌関連遺伝子のdeep sequence,DNAメチル化マーカーの検討,腫瘍の悪性度の評価を行い,次年度に多施設での上記結果のValidationを行う予定である。
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研究成果の概要 |
本研究では,大腸癌治療後のサーベンランス大腸内視鏡検査間に発見されるpost-colonoscopy colorectal cancer (PCCRC)の臨床病理学的および遺伝学的特徴を解析した。 PCCRCの頻度は, 全大腸癌中1.9%で, 発見までの平均期間は25ヶ月で、全早期癌は, 前回大腸内視鏡検査後24か月以内に検出され, 大腸全体に均等に分布していた。T2以深癌は6例中5例にPIK3CA変異を認めた。 急速に進行したと考えられたT2以深癌は約2割で, 近位結腸癌のdMMRやPIK3CA変異を示す特徴を認め,特に近位結腸癌のBRAF V600E変異を示すdMMR例は予後不良であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、大腸内視鏡における大腸癌のサーベイランス方法に大いに寄与する可能性がある。多発大腸腫瘍では最初の腫瘍での臨床病理学的所見やゲノムプロファイリングは異時性病変のそれと似通っているため、最初の腫瘍でこれらの所見を検討する事によって、サーベイランス間隔を短縮して行えると考えられる。またサーベイランス間隔が比較的長期間にも関わらずPCCRCが出現しない症例を検討することによって、サーベイランス間隔を延長する事ができる。このような効果は早期段階で大腸癌の治療を行う事によって患者の生命予後に寄与するだけでなく、不必要な検査・治療を省略し医療経済的な観点からも有用である。
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