NASH進展に対するFXR作動薬を用いたカクテル療法の可能性

• 研究課題/領域番号: 19K17501
• 研究種目: 若手研究
• 配分区分: 基金
• 審査区分: 小区分53010:消化器内科学関連
• 研究機関: 奈良県立医科大学
• 研究代表者: 関 建一郎 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (50771838)
• 研究期間 (年度): 2019-04-01 – 2021-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2020年度)
• 配分額: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円); 2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円); 2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
• キーワード: 肝線維化 / NASH

研究開始時の研究の概要

近年、核内受容体farnesoid X receptor (FXR) agonist(オベチコール酸:OCA)の臨床応用が進み、2015年の国外臨床試験(FLINT試験)では肝胆道系酵素や組織学的所見の改善効果が報告されたが、本邦における第2相臨床試験でのNASH肝線維化への効果は課題を残す結果との指摘もあった。本研究ではDPP4阻害薬とFXR agonistであるOCAの両薬剤併用によるNASH肝線維化進展抑制効果について基礎的検討を行うとともに、両薬剤の発癌抑制効果についても検討し、NASHの新たな治療戦略を確立する。

研究成果の概要

Sitagliptin投与群及びINT747投与群では対照群に比し肝線維化が有意に抑制されていたが、併用群ではより強い抑制効果を認めた。両薬剤投与により肝内Ac-HSC数、TGF-β1及び、α1-procollagen-I発現は肝線維化とほぼ平行するように抑制されていた。また、肝TLR4mRNA発現はINT747投与群及び併用群で有意に抑制される一方で、小腸TLR4 mRNA発現は有意な変化を示さなかった。In vitroの検討では、Ac-HSC増殖はstagliptin投与群及び併用群で有意に抑制されていたが、INT747投与群では有意な抑制効果を認めなかった。

研究成果の学術的意義や社会的意義

。Sitagliptin投与群及びINT747投与群では対照群に比し肝線維化が有意に抑制されていたが、併用群ではより強い抑制効果を認めた。両薬剤投与により肝内Ac-HSC数、TGF-β1及び、α1-procollagen-I発現は肝線維化とほぼ平行するように抑制されていた。また、肝TLR4mRNA発現はINT747投与群及び併用群で有意に抑制される一方で、小腸TLR4 mRNA発現は有意な変化を示さなかった。In vitroの検討では、Ac-HSC増殖はstagliptin投与群及び併用群で有意に抑制されていたが、INT747投与群では有意な抑制効果を認めなかった。

研究成果

• [雑誌論文] Combined effect of a farnesoid X receptor agonist and dipeptidyl peptidase-4 inhibitor on hepatic fibrosis. (2019)
  • 著者名/発表者名: Shimozato N, Namisaki T, Kaji K, Kitade M, Okura Y, Sato S, Moriya K, Seki K, Kawaratani H, Takaya H, Sawada Y, Saikawa S, Nakanishi K, Furukawa M, Fujinaga Y, Kubo T, Asada K, Kitagawa K, Tsuji Y, Kaya D, Ozutsumi T, Akahane T, Mitoro A, Yoshiji H.
  • 雑誌名: Hepatol Res 巻: 49(10) 号: 10 ページ: 1147-1161
  • DOI: 10.1111/hepr.13385
  • 査読あり
• [学会発表] DPP4阻害薬及びFXR agonist併用によるNASH肝線維化抑制効果と機序 (2019)
  • 著者名/発表者名: 関建一郎
  • 学会等名: 日本消化器病学会