研究課題/領域番号 |
19K17505
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
堀内 尭 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (00838774)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 膵癌 / DYRK2 / アデノウィルスベクター / アデノウィルス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、切除不能膵臓癌患者に対して、癌抑制的に機能すると報告されているキナーゼDYRK2遺伝子をアデノウィルスベクターで遺伝子導入する新規治療法の開発を目的とするものである。具体的には、癌細胞へのDYRK2遺伝子導入によってc-Mycやc-Junなどの癌細胞増殖促進的に働くシグナルを抑制し、p53などの癌抑制的に働く転写因子のリン酸化を促進しアポトーシスを誘導することを証明する。
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研究成果の概要 |
膵臓癌は最も予後不良な消化器がんの1つであり新たな治療が期待されている。DYRK2 (dual-specificity tyrosine-(Y)-phosphorylation regulated kinase 2)は、DNA損傷に応答してp53のセリン46をリン酸化しアポトーシスを誘導する機能的なキナーゼであると報告されている。今回、膵癌においてDYRK2を応用した遺伝子治療を検証した。Cre/loxP発現制御系のDYRK2発現アデノウィルスベクター(Adv-DYRK2)を作成し、膵臓癌細胞株に投与したところコントロール(Adv, Adv-DYRK2KR)と比較し、細胞増殖抑制効果を認めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究における最大の特色は、膵癌においてDYRK2を応用した遺伝子治療を世界で初めて検証する点にある。DYRK2は本邦で発見されたp53関連キナーゼであり、悪性腫瘍における世界での研究報告はまだ少ない。DYRK2をコントロールして機能させることができれば、癌細胞の増殖を効率よく抑制できる可能性があり、DYRK2をターゲットにした遺伝子治療は世界初の試みとなる。切除不能膵臓癌は予後不良であり、新規治療法の開発は社会的要望が強く本研究が寄与する貢献度は大きい。本研究は本邦における癌研究のさらなる発展を目指すものである。
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