研究課題/領域番号 |
19K17517
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
吉江 幸司 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 助教 (60724515)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 心臓交感神経 / TRPV1 / 難治性心室性不整脈 / 心不全 / dnNRSF / TAC / dnNRSF-Tg / 慢性心不全 / TRPV1 knockout / 心機能改善 / 心臓感覚神経 / 非虚血性心不全 / NRSF / 交感神経求心性神経 / 心筋線維化 / 自律神経 / 致死性心室性不整脈 / TRPV1ノックアウトマウス |
研究開始時の研究の概要 |
自律神経修飾による心機能コントロールは、難治性とされてきた心疾患の新たな治療法となる可能性を有している。本研究では自律神経の心臓交感神経に注目し、致死性不整脈を有するモデル動物と、この心臓遠心性神経ノックアウトモデルの交配が、致死性不整脈耐性を有するモデルとなりうるか否かに注目する。組織学的な背景因子の検索も進め、最終的には研究成果を通じて将来的な創薬ターゲットを解明することを目標としている。
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研究成果の概要 |
心臓から中枢神経へと情報を伝える求心路シグナルの役割と心疾患の関係性については解明されていない。特にこの求心路活性化に必要となるTRPV1チャネルに注目し、研究を行った。本研究ではTRPV1ノックアウトモデル、薬剤によるTRPV1阻害モデル、圧負荷モデル、そして我々独自の非虚血性心不全突然死モデルであるdnNRSF-Tgを用いて検討を行った。結果、TRPV1の薬理学的阻害(もしくは遺伝学的ノックアウト)は障害心筋の心機能を改善し、難治性心室性不整脈耐性を得ることが成果として得られてきている。本プロジェクトは本領域のさらなる発展につながるものと期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本邦における死因の第2位に位置する心疾患において心機能低下による心不全症例の増加は、今後2050年に向かっての大きな課題と考えられている。このために新規治療法の開発が急務となっているが、我々の研究は、そのような心不全パンデミックを解決する新たな治療戦略となりうる可能性を有している。これまで未知の領域とされてきた心臓自律神経の制御によって、難治性と呼ばれてきた心疾患へと介入できる可能性を有しており、学術的意義の高い研究である。先行研究で示された虚血性心疾患への改善効果とともに、今回の成果は非虚血性心疾患に対するTRPV1阻害の好影響を示すことに成功し、今後の治療応用に期待が持てるものである。
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