研究課題/領域番号 |
19K17540
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
吉川 尚宏 久留米大学, 医学部, 助教 (70811082)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 血管新生療法 / 重症下肢虚血 / 皮下組織由来再生細胞 / ヒト皮下脂肪組織由来再生細胞 / 超音波 / 酸化ストレス / 脂肪組織由来再生細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
血管新生細胞を虚血下肢へ筋注投与することで側副血行の増加を促す血管新生療法は、既存療法では改善が見込まれない重症下肢虚血患者を救済する画期的な治療戦略の一つだが、多くの投与細胞が虚血組織中の酸化ストレスによって死に至り、十分な効果をもたらしていない可能性が示唆されている。 本研究では投与前の血管新生細胞に超音波刺激を加え、酸化ストレス耐性能力を高めることで、その問題解決を試みる。また、臨床応用時にビニール製細胞保存バッグ外表面から超音波照射による細胞処理を行う際、実施施設間における処理達成度の均一化を図るため、生体適合溶液から製造されるナノサイズのバブルを用いた視覚的処理確認法の開発も試みる。
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研究実績の概要 |
末梢動脈疾患の中でも患者のQOL低下や死亡のリスクが高い重症下肢虚血は、多くの症例で既存の治療法が有効でない。この症例を救済する新たな治療法とし て、患者の自己細胞を虚血組織へ移植して側副血行を促す血管新生療法が注目されている。自己細胞の供給源として、皮下脂肪組織に存在する間葉系幹細胞 (ADRCs)は他組織よりも低侵襲で多量に採取できることより主流となりつつある。当研究室は、血管新生細胞へ超音波刺激を与えて血管新生療法の効果を増強す ることに成功した。しかしこの手法には細胞を培養・処理する施設(CPC)が必要であり、臨床応用には至らなかった。 本研究では投与前の血管新生細胞に超音波刺激を加え、酸化ストレス耐性能力を高めることで、その問題解決を試みる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
皮下脂肪組織由来再生細胞(ADRC)に対して酸化ストレス、低酸素、低栄養、コントロール群で生存率の比較を行い、酸化ストレスにより生存率が有意に低下する ことを確認した。 Bastaらは超音波刺激によりヒト臍帯血細胞(HUVEC)細胞生存率が低下した(Cardiovascular Research 58 (2003) 156–161)と報告しており、ADRCにおいて 同様の結果が得られるか検証を行った。96ウェル細胞培養用プレートへADRC細胞浮遊液をウェルを満たすように入れ、超音波透過性のフィルムでコーティングし た後に超音波照射(5秒間、10秒間)およびコントロール群を行った。結果、有意ではないものの生存率はコントロール群>5秒間照射群>10秒間照射群と低下傾向 を示した。以上より、今後の実験における超音波照射時間は5秒間にする方針とした。
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今後の研究の推進方策 |
現在はCOVID-19流行による研究スタッフの勤務形態縮小およびウクライナ情勢による細胞・検査キットなどの流通低下が実験の進行に影響を及ぼしているが、改善の兆しがみられている。今後の方針として、酸化ストレスを与えた細胞に対して超音波照射群とコントロール群とで生存率や血管新生因子(VEGF, HGF, Ang-1, Ang-2)産生能、抗酸 化因子(GPX, SOD)産生能の差がみられるかを検証する予定である。
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