研究課題/領域番号 |
19K17547
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
蓑島 暁帆 旭川医科大学, 医学部, 助教 (90645962)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 虚血性心疾患 / vasa vasorum / 不安定プラーク / 血管成熟化 / Ninjurin1 |
研究開始時の研究の概要 |
これまで血管成熟化を制御する新規分子Ninjurin1(Ninj1)を見出し、新生血管の幼若化をもたらす血管特異的Ninj1欠損誘導マウスを作製した。このユニークな動物モデルを用いて血管外膜の栄養微小血管(vasa vasorum)の成熟化障害や形成異常とプラークの進展や不安定化との因果関係を実証する。 Ninj1とアポE両欠損マウスを用いた動脈硬化症モデルを作製し、プラーク内の微小血管形成異常がプラーク増悪・不安定化をもたらすか確認する。あわせて、臨床での冠動脈インターベンション症例で採取したプラーク組織の三次元解析でプラーク内微小血管形成やNinj1発現と臨床病態との関連性を検証する。
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研究成果の概要 |
研究は血管成熟化を制御する新規分子Ninjurin1(Ninj1)が、血管外膜から血管壁を栄養しプラークへのびる微小血管(vasa vasorum、VV)の成熟、安定化を介して、プラーク安定化に寄与していることを証明することを目的としている。 マウスを用いた実験では周細胞特異的にNinj1を欠損することにより、VV形成の幼弱化、脆弱化を起こし、血管のリモデリングの病態が悪化することを確認した。 臨床の冠動脈プラーク組織を用いた評価では、LDLコレステロール高値の症例では、プラーク内の微小血管の血管径が小さく密集している傾向があり、この血管の幼弱化がプラーク不安定化に影響を及ぼす可能性を示唆した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
心血管や脳虚血疾患の基盤病態である動脈硬化症の発症進展に関して、従来の『血管内膜の障害』に加え、『血管外膜の栄養微小血管(vasa vasorum,VV)の形成異常』がプラーク増悪や不安定化に関連することが推測されている。 これは臨床的な状況知見から推測されてきたものであるが、両者の因果関係を明確に示すエビデンスは少なく、結果として、その先にある「血管外膜部を標的とする動脈硬化治療の開発」に至っていない。 Ninj1を介した血管外膜の微小血管VVの成熟化が、プラーク形成や不安定化に関与することを証明することにより、Ninj1を治療、検査のターゲットとした新たな治療戦略につながる可能性がある。
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