研究課題/領域番号 |
19K17553
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
長谷川 奏恵 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (20770358)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 前立腺がん / ホルモン療法 / 薬物的去勢 / QT延長症候群 / 心室細動 / 突然死 / medical castration / prostate cancer / QT prolongation / torsade de pointes / ventricular fibrillation / 致死性不整脈 / QT延長 |
研究開始時の研究の概要 |
がんサバイバーの増加に伴い、薬物療法や放射線治療の心毒性による心血管疾患の重要性が認識され始めた。また、高齢化に伴い急増している前立腺癌に対する治療は、薬物的去勢術が外科的去勢術と同等の効果があることが示され、現在では薬物的去勢術のホルモン療法が選択されることが多い。ホルモン療法による心毒性、とくに心筋イオンチャネルへの影響によるQT延長や致死的不整脈の関係については、未だ検討されていない。本研究は、増加する前立腺癌患者のホルモン療法による、心筋イオンチャネルへの影響と致死性不整脈を起こす予測因子を明らかにし、より安全なホルモン治療を確立することを目標とする。
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研究成果の概要 |
急増している前立腺癌に対する治療として薬物的去勢術のホルモン療法が選択されている。前立腺がんに対してホルモン療法を施行した149人について心電図パラメータと心室細動を含む致死性不整脈の有無について解析し、1.3%でQT延長を伴う多形性心室頻拍及び心室細動を認めた。心室細動を認めた2人はよりQT時間が延長していた。治療中は定期的な心電図を確認することで治療の再検討を行い突然死を予防できる可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
前立腺がんに対するホルモン療法を行った149名を後ろ向きに、心電図パラメータと心室細動を含む致死性不整脈の有無について解析した。治療前後での心電図変化として、QT, QTcが有意に延長し、さらに149人中2人(1.3%)でQT延長を伴う多形性心室頻拍及び心室細動を認めた。心室細動を来した患者はよりQT, QTcが延長していたが器質的心疾患はなく、治療中は、どの患者も定期的な心電図が必要である。致死性不整脈である心室細動をきたす前に心電図を確認することで治療を再検討し、突然死を防げる可能性がある。
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