研究課題/領域番号 |
19K17561
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
石田 秀和 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (50467552)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 拘束型心筋症 / 心筋線維芽細胞 / 心筋細胞 / iPS細胞 / RNA-seq / エクソーム解析 |
研究開始時の研究の概要 |
拘束型心筋症(RCM)は非常に予後が悪い心筋症である。現在まで心室拡張障害に対する確立された有効な治療法はなく、唯一心臓移植のみが救命手段である。これまでいくつかの遺伝子異常が報告されているが、どのようにして拡張障害が発症するのか、そのメカニズムは不明である。近年、心不全病態において心筋細胞だけではなく心筋線維芽細胞も重要な役割を果たしていることが報告されている。本研究では、患者心筋線維芽細胞と、そこから誘導したiPS細胞由来の心筋細胞において、細胞生物学特性を検証し網羅的な発現解析を行う。さらに、RCM心筋線維芽細胞と心筋細胞と共培養することで、主体的に病態形成に関わっているのか検証する。
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研究成果の概要 |
小児期発症の拘束型心筋症患者に対して全エクソン遺伝子解析を行った。拘束型心筋症の患者26例のうち17例で病原性バリアントを同定した。最も多いのはトロポニンIの変異であった。また、拘束型心筋症患者から心筋線維芽細胞を採取・培養し、細胞生物学的な解析を行った。細胞増殖能、遊走能、接着能、アポトーシス、活性化能については、拘束型心筋症と健常とで差は認めなかった。しかし、健常な心筋細胞と共培養を行うと、健常であるはずの心筋細胞の拡張能を悪化させることが明らかとなった。それに関係する液性因子や接着因子を同定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
小児期発症の拘束型心筋症患者において、網羅的な遺伝子解析を行い、26例中17例で病原性バリアントを同定した。これはこれまで報告された拘束型心筋症の解析例のうち最多である。また、拘束型心筋症患者から採取した心筋線維芽細胞は、健常な心筋細胞の拡張能を悪化させることを発見し、それに関係する可能性がある因子を同定した。すなわち、拘束型心筋症では、心筋細胞だけでなく心筋線維芽細胞も主体的に病気の発症に関わっており、今後、心筋線維芽細胞をターゲットとする新たな治療法の開発につながる成果をあげることが出来た。
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