研究課題/領域番号 |
19K17564
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
永井 正志 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (50813929)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | DMD / ACTN3 / 拡張型心筋症 / Duchenne型筋ジストロフィー / アクチニン3 / 心機能障害 |
研究開始時の研究の概要 |
Duchenne型筋ジストロフィー(DMD)では心機能障害が生命を脅かす重要な合併症であるが、発症の機構は明らかでない。アクチニン3は骨格筋の構造蛋白だが、ナンセンス変異の高頻度多型により一般人口の約1/4に欠損する。申請者はDMD患者80人の予備研究でアクチニン3欠損が心機能障害と関連する結果を得た。本研究の目的は、DMDの心機能障害におけるアクチニン3多型の病態的意義を解明することである。心機能に関わる臨床データと多型との関連を解析し、さらに心筋におけるアクチニン3の発現を証明する。この研究の成果は、DMD患者の心機能障害のリスクファクターを同定し、生命予後の改善に活用されるものである。
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研究成果の概要 |
α-アクチニン-3をコードするACTN3遺伝子の一般的なヌル変異体(R577X)とデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の心臓表現型の相関を調べた。163人のDMD患者のACTN3遺伝子型を決定した。ACTN3 XX null遺伝子型と他の遺伝子型を比較し、null遺伝子型は左心室拡張のリスクが高いことを示した(ハザード比9.04)。 この研究はACTN3 XX null遺伝子型がデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)における左心室拡張の早期発症と関連していることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)において拡張型心筋症(DCM)は主たる死因であり、その罹患率を下げることはDMDの予後改善に重要である。我々の研究結果はACTN3 null遺伝子型のDMD患者は左心室拡張リスクが高く(ハザード比9.04)、DCMの早期進行との間に関連性があることを明らかにした。この結果は、心臓の転帰を改善するためにDCMの発症リスクが高いACTN3 null遺伝子型のDMD患者は現在推奨されるよりも早期から頻繁に心臓評価を受ける必要があることを示唆しており、新たな心臓評価プロトコルが提案される。
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