研究課題
若手研究
右心不全の病態におけるPDE1の役割を解明し、PDE1標的治療が既存の治療より有効であることを証明する。右心不全動物モデル(肺動脈縮窄ラット)にPDE1阻害薬を投与(急性投与、慢性投与、予防投与)して、血行動態測定、分子生物学的解析、病理組織学的、細胞生理学的解析を網羅的に行う。本研究の成果はPDE1を標的とする右心不全の新規治療法の基盤となり、患者の予後改善に役立つ。
マウス右心不全モデルを確立し、病態進展におけるPDE1とPDE10の役割を示した。さらに関連する病態であるHFpEFにおいてもPDE1の発現亢進と阻害による病態抑制が証明された。これらの所見は治療法の確立していない右心不全やHFpEFの治療法開発にとって非常に重要な基礎的知見となる。cAMP-PKA, cGMP-PKG経路の活性化の関与は示されたが、当初想定していた小胞体ストレス応答の関与は大きくないことが示唆された。細胞内カルシウム動態に関与する分子の発現変化が認められており、PDE1による細胞内カルシウム制御が主要なメカニズムとして想定された。
左心不全、特にHFrEFには予後改善効果が証明された薬物療法・非薬物療法が多数存在するが、右心不全に関しては生命予後改善を大規模臨床研究で証明できた治療法が存在しない。一方でHFrEFであってもHFpEFであっても、右心機能低下を合併していると予後が不良であることが多数の報告で示されている。さらに重症心不全では補助人工心臓植込術という強力な非薬物療法が存在するにも関わらず、術後の右心不全で心不全症状が遷延する症例も多数存在する。したがって右心不全の新規治療開発は喫緊の課題である。本研究において右心不全におけるPDE1の役割を示したことにより、今後の治療法開発の基盤となることが期待される。
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