研究課題
若手研究
心不全におけるERファジーの病態意義について解明することを目的とする。分子生物学的および顕微鏡的アプローチによりERファジーを視覚化して解析する。ERファジー不全における不良タンパク質の特徴を同定し、不良タンパク質の蓄積が心筋障害から心不全の病態へと関与するのかを明らかにする。
近年、オートファジーによる選択的小胞体分解(ERファジー) の存在が明らかになったが、心臓における役割については検討されていない。大動脈縮窄後4週の不全心では、ユビキチン陽性蛋白質やP62陽性タンパク質、不良タンパク質の蓄積を示唆していた。ERファジー関連分子XのmRNAレベルは大動脈縮窄後の不全心で有意に低下しており、ERファジーの低下から心不全の進展に関与することが示唆されたが、機能的意義については今後の検討が必要である。質量分析の解析により、オートファジーに関連するタンパク質のミリストイル化がERファジーに関連することが示唆され、これが新規メカニズムとして期待される。
心不全の病態において不良なタンパク質の蓄積が役割を果たしていることから、心不全の発症と進展を防ぐために心筋細胞内の恒常性維持機構としてのERファジーが新しい治療ターゲットと期待されている。本研究により、オートファジーに関連するタンパク質のミリストイル化がERファジーに関連することが示唆され、これが新規メカニズムであることが明らかになった。本研究成果からERファジーに関わる新規分子機構の可能性が明らかとなり、心不全に対する新たな治療戦略となり得ると期待され、今後の検討が必要である。
すべて 2022 2021 2020 2019
すべて 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 11件、 査読あり 11件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (18件) (うち国際学会 8件、 招待講演 1件) 図書 (2件)
Clin Res Cardiol 2022 (in press).
巻: in press
J Am Heart Assoc 2022 (in press).
J Cardiol 2022 (in press)
Nature Communications
巻: 12 号: 1 ページ: 6177-6177
10.1038/s41467-021-26435-0
Journal of American Heart Association
巻: 10 号: 21
10.1161/jaha.121.021101
J Hypertens
巻: 38 号: 9 ページ: 1703-1711
10.1097/hjh.0000000000002445
International Heart Journal
巻: 60 号: 6 ページ: 1430-1434
10.1536/ihj.19-190
130007753858
巻: 60 号: 5 ページ: 1098-1105
10.1536/ihj.19-049
130007719008
Journal of Pineal Research
巻: 66 号: 4
10.1111/jpi.12564
Clinica Chimica Acta
巻: 495 ページ: 123-128
10.1016/j.cca.2019.04.005
ESC Heart Failure
巻: 6 号: 2 ページ: 291-296
10.1002/ehf2.12404