研究課題/領域番号 |
19K17578
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
小森 孝洋 自治医科大学, 医学部, 講師 (80406107)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 心不全 / リハビリテーション / 認知機能 / フレイル / 運動療法 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢心不全患者では、フレイルのひとつである認知機能低下が生活機能と生命予後を悪化させるため、認知機能低下抑制が重要である。我々は、夜間血圧上昇(Riser型血圧変動異常)が心不全の認知機能低下に関連することを明らかにした。夜間血圧上昇抑制を目標とする運動療法の確立は、認知機能低下抑制により効果的であると考えられる。運動療法では、非監視下に日常生活に運動を取り入れ活動性を上げることが重要であるが、その手段は確立されていない。本研究ではマルチセンサー24時間血圧計およびウェアラブル活動量計で得られた血行動態・生体反応評価を基に、個人に最適化した非監視型運動療法を立案・指導し、その有効性を検討する。
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研究成果の概要 |
本研究はCOVID-19流行の影響が大きく、最終的な登録患者数は27名、計画通りに実施できた患者は5名であった。非監視型心臓リハビリテーションの実施後は、LVEFの上昇、LVDdの縮小、peak VO2、peak VO2/HRの上昇、VE/VCO2 slopeの減少、MMSE、MoCA-Jの低下が認められ、心不全やフレイルの改善に有効であった。 次に27名の患者でBDNFの低い患者の特徴を横断的に解析した。BDNF中央値で2群に分けたところ、BDNF低値群は高齢で心血管合併症を多く有し、細胞外水分量と体水分量が多く、MoCA-JとMMSEが低値であった。BDNFのフレイルへの関与が考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の研究では仮説を検証するための十分なデータが不足していたが、非監視型心臓リハビリテーションが心不全自体や、合併しているフレイルの状態を改善させるのに有効である可能性が示唆された。また、BDNFがそれらに関係している可能性も考えられた。通院心臓リハビリテーションに参加できない患者は依然として多いため、非監視型であっても心臓リハビリテーションを推奨する裏付けになると考えられる。また、マイオカインの一つであるBDNFが身体機能や認知機能に果たす役割が推察され、リハビリテーションがもたらす体液因子の影響解明に役立つものと考えられる。
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