研究課題/領域番号 |
19K17586
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
町野 智子 筑波大学, 医学医療系, 講師 (20755673)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 心房細動 / 心原性塞栓症 / 左心耳 / 左心房 / 経皮的左心耳閉鎖術 / 左房内血栓 |
研究開始時の研究の概要 |
心房細動に伴う心原性塞栓症の予防治療は,ワルファリンから直接作用型経口抗凝固薬と経皮的左心耳閉鎖術の時代へとシフトしつつある.しかしこれら新規治療を適切に行った場合でも稀ならず左心房血栓を生じることがあり,母集団の大きい心房細動患者においては無視できない残余リスクである.新規治療下での血栓リスクを層別化し予防に役立てることができれば,心房細動患者の予後改善につながる可能性がある.我々はこれまでに左房・左心耳の機能や形態,心不全マーカーが血栓リスク層別化に有用であることを報告してきた.本研究ではこれらを踏まえ,心原性塞栓症予防の新時代に即した,左心房血栓予測のための包括的リスク評価法を構築する.
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研究成果の概要 |
非弁膜症性心房細動(NVAF)1102例において経食道心エコー図検査および心臓CTを行い,左心耳入口部径や,左心耳形態,左心耳血栓や左心耳機能について解析した。左心耳入口部最大径30mm以上の有意な左心耳拡大は全体の3.1%,長期持続性心房細動症例の8.9%,本邦における経皮的左心耳閉鎖術の適応条件を満たす症例の11.3%で認められた。左心耳拡大群は非拡大群と比較し,CHA2DS2-VAScスコアとHAS-BLEDスコアが高く,左心耳血流速度が低下し左心耳血栓率が高かった。AF持続の長期化,僧帽弁逆流の増悪,左房拡大,左室肥大に伴い,左心耳入口部は有意に拡大することが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本における経皮的左心耳閉鎖術の適応を満たす,心原性塞栓症および出血リスクの高い症例の約1割において,左心耳入口部の拡大により,既存の左心耳閉鎖デバイスでは安全に治療ができない可能性が示唆された。長期の心房細動持続および左房負荷につながる因子(左室肥大,左室拡張障害,僧帽弁逆流の増悪)は,左心耳入口部拡大を促進する可能性があり,それらの因子が左心耳拡大を進行させる前に,経皮的左心耳拡大術を考慮すべきであると考えられた。また今後日本人向けに,より大きいサイズの左心耳閉鎖デバイスの開発が必要であると考えられる。
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