研究課題/領域番号 |
19K17593
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
高山 幸一郎 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 流動研究員 (20816988)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 早期再分極症候群 / KCND3変異 / 一過性外向きカリウム電流 / 機能獲得型障害 / キニジン / ベプリジル / 疾患モデルiPS細胞 / 若年性心臓突然死 / 心筋イオンチャネルの遺伝子変異 |
研究開始時の研究の概要 |
早期再分極症候群(ERS)は若年性心臓突然死の原因となる悪性の疾患であり、比較的新しい疾患概念である。遺伝性があり、一部は遺伝子変異による心筋イオンチャネルの異常が原因と報告されているが、病因や病態は未だ解明されていない。 これまで原因不明の致死性不整脈と診断されていた患者群において、臨床情報を再評価して診断を改め、網羅的に心筋イオンチャネルなどの遺伝子異常を検索する。そして、同定された遺伝子異常が、心筋細胞においてどのような機能異常を引き起こすのか実験によって明らかにする。さらに、その機能異常を正常化させる効果的な治療薬を探索し、ERSの治療薬確立を目指す。
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研究成果の概要 |
早期再分極症候群(ERS)は若年者心臓突然死の一因である。ERS患者11例を対象に網羅的遺伝子解析を行い、1例において新規のKCND3ヘテロ型変異(p.Gly306Ala)を同定した。培養細胞での電気生理学的機能解析により、本変異が一過性外向きカリウム電流(Ito)の機能獲得型障害を呈すること、Ito阻害薬であるキニジンとベプリジルが濃度依存的にその障害を是正すること、を明らかにした。次に、さらなる詳細な病態検討のため、ゲノム編集によって本変異のヘテロ型及びホモ型の疾患モデルiPS細胞を樹立し、心筋細胞へ分化させて実験モデルを構築することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ERSは比較的新しい疾患概念のため未解明な部分が多い。本研究成果は、原因遺伝子の同定、電気生理学的な病態解明、薬の効果発現のメカニズム解明において貢献できた。今後は、KCND3遺伝子検査によって、原因不明の特発性心室細動患者の正確な診断が可能となり、キニジンなどの適切な薬剤を使用することで若年者心臓突然死を予防することができるだろう。
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