研究課題/領域番号 |
19K17606
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
田中 敦史 佐賀大学, 医学部, 特任准教授 (00594970)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 脳卒中 / 医療の質 / 地域医療 / 救急診療 / 抗凝固薬 / 神経学的予後 / 医療体制 / 二次予防 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、地域間(都道府県別や市町村などの地域も含め)の医療格差に大きな注目が集まっており、特に高齢化や医師不足・医療アクセスなどの医療体制の不備が問題視されることが多い地方における医療実態を正確に把握し、個別の地域の実態に応じた実地診療の質向上や新たな医療政策へ反映させることは、高齢化が進む本邦の大きな課題である。 本研究では、佐賀県北西部地域の脳卒中診療を一手に引き受ける中核病院に焦点を当て、同院の連続した脳卒中患者の患者背景や診療実態を調査し、当該地域における脳卒中診療の実態を明らかにし、対象地域ひいては佐賀県における脳卒中・心血管疾患医療の質向上を目的とする。
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研究成果の概要 |
佐賀県北西部に位置する地域基幹病院に脳卒中のため入院した連続527症例について、当該地域における脳卒中診療の実態評価を目的に、入院時の臨床的背景に関してナショナルデータとの比較を行った。同時に、退院時の神経学的重症度について評価した。その結果、脳卒中の危険因子が未診断・未治療の症例が予想以上に多く、死亡率は低い傾向にあったものの、退院時の神経学的重症度の結果から比較的多くの症例が中等度以上の障害を残したまま退院していたことが明らかとなった。今後さらに適切な危険因子に対する管理による脳卒中発症予防と病診連携の構築が重要と考えた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地域間における医療格差は大きな社会的問題であり、超高齢化が進む社会の中で、特に都市部と比較して農村部における医療格差の実態を把握し、地域の実情に合わせた改善を図っていくことは極めて重要な社会的な医療福祉課題である。特に、脳卒中は本邦において発症頻度が高く、また一度発症すると神経学的後遺症が残ることも多い疾患であるため、地域間での医療格差を是正し、適切な医療が広く実施されることが求められている。本研究を通じて、当該医療地域の脳卒中診療の実態が明らかとなり、よりよい診療の質改善へ向けた新たな取り組みのための議論の材料につながることが期待された。
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