研究課題/領域番号 |
19K17615
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
遠藤 大介 順天堂大学, 医学部, 助教 (50815644)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 心房細動 / 左心耳 / Marshall靭帯 / 冠動脈バイパス術 / 透析 / 脳卒中 / 脳梗塞 / 末期腎不全 / 慢性腎臓病 / 開心術 / 心拍動下 |
研究開始時の研究の概要 |
心房細動は開心術後に生じる最も頻度の高い合併症であり、脳梗塞の原因の20-25%を占める。心房細動における血栓は主に左心耳に生じるため、左心耳を閉鎖することで脳梗塞のリスク軽減が可能となる。一方で、左心耳の生理機能についての研究は少ない。また、術後心房細動の機序は解明されていないが、発症要因の一つとして自律神経活動があり、左上大静脈の痕跡であるマーシャル靭帯の関与が指摘されている。本研究の目的は、マーシャル靱帯切離の心房細動・脳梗塞抑制効果を検証すると共に、マウス及びヒト左心耳検体を用いた左心耳の生理機能を解析し、左心耳機能の温存と血栓形成抑制を両立可能な新規左心耳切除法の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、術前洞調律症例におけるMarshall靭帯切除の術後心房細動(AF)に対する有効性ならびに透析患者の左心耳(LAA)閉鎖の有効性を調べた。 冠動脈バイパス術(CABG)を受けた323例において、Marshall靭帯切除群(28例)と非切除群(295例)で術後AF発症率を比較したが、有意差を認めなかった。CABGを受けた2,783例のうち、242例が洞調律の透析患者で、LAA閉鎖の有無で臨床転帰を比較した。LAA閉鎖は、洞調律の透析患者における死亡と脳卒中のリスクを低減することが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
冠動脈バイパス術(CABG)後に生じる心房細動(AF)は最も頻度の高い合併症の一つである。AFは左心耳(LAA)に血栓を形成することで、脳梗塞の原因となりうる。特に、透析を受けている末期腎不全(ESRD-HD)患者は、AFに関連した脳卒中リスクが高い。塞栓症予防として抗凝固療法は標準治療であるが、ESRD-HD患者は出血リスクが高いことから抗凝固療法のベネフィットとリスクは議論が分かれる。本研究において、術前洞調律のESRD-HD患者において、CABGと同時LAA閉鎖が全死亡ならびに脳卒中リスク軽減効果があることを示したことは意義が高い。
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