研究課題/領域番号 |
19K17623
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
永井 礼子 北海道大学, 大学病院, 医員 (10622160)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 肺動脈性肺高血圧症 / ドラッグデリバリーシステム / 肺動脈平滑筋細胞 / drug delivery system |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、肺動脈性肺高血圧症の新規治療法を確立することである。これまでさまざまな治療薬が開発され、肺動脈性肺高血圧症の予後は大きく改善してきているが、死亡もしくは肺移植に至る患者がいまだ多数存在する。本研究では肺動脈性肺高血圧症の発症メカニズムに関与する可能性の高い複数の候補薬剤が、その病態にもたらす影響を解明し、さらに肺動脈に対する最適なdrug delivery systemを開発することで、新たな治療法を創出する。
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研究成果の概要 |
最初に肺動脈性肺高血圧症(PAH)の新規治療薬候補Xを効率的に肺動脈平滑筋細胞へ封入するためのナノカプセルを作製した。この薬剤X封入ナノカプセルは薬剤Xを単独で投与する場合と比較して、PAH患者の肺動脈平滑筋細胞の増殖を有意に抑制した。次に、肺動脈性肺高血圧症モデルラットを作製し、薬剤X封入ナノカプセル投与群、コントロールナノカプセル投与群、非投与群の3群で心臓カテーテル検査を行ったところ、薬剤X封入ナノカプセル投与群で有意に右室圧低下およびFulton index改善を認めた。今後は各群の肺病理像を評価し、薬剤X封入ナノカプセルのPAH治療薬としての有効性をさらに検証することとしている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、PAHに対して既存の系統とは別の介入経路を見出そうとする研究が、国内外で散見されているが、その応用については、いまだ多数のハードルがあり、実現は困難な状況である。本研究が目指す、既存の治療薬の介入経路とは異なるメカニズムでPAHの改善に寄与し、かつナノカプセルにより薬理効果を純粋に活用する研究は国内外ともに皆無である。本研究はPAHの新たな治療法の開発に寄与するものであり、また、これまでに確立されているPAH治療薬の介入経路とは全く異なる経路からのアプローチであるため、既知の治療薬との併用による、治療効果のさらなる向上も期待できる。
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