研究課題/領域番号 |
19K17624
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
宮内 栄作 東北大学, 大学病院, 助教 (00732562)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 非小細胞肺癌 / EGFR遺伝子変異 / 免疫療法 / マイクロバイオーム / EGFR遺伝子陽性肺癌 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者はこれまでにEGFR遺伝子変異陽性患者の切除腫瘍組織を用いたT細胞受容体のレパトア解析を実施し、EGFR遺伝子変異陽性肺癌のT細胞受容体のレパトアは、野生型の患者とは大きく異なることを明らかにし、ICIの治療抵抗性のメカニズムの一つとして報告している。今回、新たな免疫つえっくポイント阻害剤による治療抵抗性のメカニズムを明らかにすべく、マイクロバイオームに着目した基盤研究を計画した。 本研究では肺癌患者の糞便検体および口腔内検体(唾液、プラーク、縁下プラーク)を採取し、マイクロバイオーム解析を実施し、EGFR遺伝子変異陽性患者におけるマイクロバイオームの特徴を明らかにする予定である。
|
研究成果の概要 |
始めに日本人肺癌患者における腸内マイクロバイオームの経時的安定性を確認した。次に、EGFR遺伝子変異陰性患者における糞便のマイクロバイオームの細菌構成と比較し、陽性患者に特有の微生物種ないし構成パターンの分析を行った結果、EGFR遺伝子変異陽性肺癌患者に特有の糞便細菌叢は認められなかった。しかし、一部の細菌種はEGFR陰性例と陽性例では構成比率が異なっていることが確認された。 次に、肺癌患者および健常者の糞便を用いてメタボローム解析を実施した。肺癌患者では健常者と比較して特異的なアミノ酸代謝を有し、肺癌患者では解糖系代謝の亢進に加え、他にも複数の代謝経路の活性化がみられることが確認された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、癌患者における腸内マイクロバイオームの経時的安定性が確認された。また、EGFR遺伝子変異陽性肺癌患者では、一部の細菌種がEGFR陰性例と構成比率が異なっていることが明らかとなった。さらに肺癌患者では健常者と比較して特異的なアミノ酸代謝を有し、肺癌患者では解糖系代謝の亢進に加え、他にも複数の代謝経路の活性化が認められた。今後、さらに症例数を増やした検討を加え、免疫療法抵抗性に関わる腸内環境の特徴を明らかにする予定である。腸内環境の特徴を明らかにすることで、EGFR遺伝子変異陽性肺癌患者において免疫療法が有効な患者集団を見出し、治療選択に活用されることが期待される。
|