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過敏性肺炎におけるIL-17、好中球の慢性化を含めた経時的な役割の検討

研究課題

研究課題/領域番号 19K17630
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分53030:呼吸器内科学関連
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

石塚 聖洋  東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 助教 (60770724)

研究期間 (年度) 2022-12-19 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワードIL-17 / Precision-Cut Lung Slice / PCLS / 好中球 / 過敏性肺炎 / 慢性化 / CXCL5 / γδT cell
研究開始時の研究の概要

慢性過敏性肺炎は特発性肺線維症同様に予後不良であり、Th2系免疫応答が優位とされている。一方、急性過敏性肺炎に関してはTh1系免疫応答が優位とされてきたが、IL-17や好中球などの関与も報告されている。しかし、慢性期移行における評価はされておらず、本研究では、急性期から慢性期にかけてのIL-17、好中球の関与を検証する。本研究の特徴は、同一抗原で急性、慢性共に確立できているモデルを使用する点、抗原が慢性過敏性肺炎において最多原因である点である。また、IL-17阻害薬が他疾患で既に臨床応用されている為、本研究結果により治療につながる可能性が考えられる。

研究実績の概要

本研究は、IL-17、好中球の役割を含めた過敏性肺炎の病態解明を主目的とする。急性期だけでなく慢性期や線維化期におけるIL-17や好中球の役割を明らかにすることにより、波及効果として、IL-17、好中球、IL-17A―CXCL 5 pathwayが治療のターゲットとなり得るかを検証していきたいと考える。
また、本研究開始後の研究中断期間中にピッツバーグ大学への海外留学研究にて習得したPCLS (Precision-cut lung slice) の技術を応用して、新たな疾患モデルの作製ももう一つの目的とする。
当該年度に関しては、2023年12月末まで研究留学をしていた為、2024年2月1日からの研究再開としており、実質的な国内での研究可能期間は2ヶ月であった。この2ヶ月の間にPCLS実験系を国内研究室でも実施可能とするために、各種の必要物品を揃え、研究機器購入や環境整備を行い、野生型マウスにおいてPCLSを作製することにまず成功した。現在、国内施設から発表されている論文数は、human PCLS 0件、mouse PCLS 1件であり、今後、PCLSによる論文報告を国内施設から行うことは重要と考える。
最終年度である2024年度には、mouse PCLSによる実験系の確立を目指すとともに、慢性過敏性肺炎の最頻原因抗原である鳩糞抽出物を使用した過敏性肺炎マウスモデルのPCLSを使用した実験を行う予定である。これらの結果により、急性期ならびに慢性期の過敏性肺炎におけるIL-17、好中球の役割を含めた病態解明を行い、学会発表および論文報告することを目指す。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

本研究は、下記理由の為、研究開始当初の計画と比較して、「遅れている」状況と判断した。
当初の予定では、1年目である2019年度は、IL-17A-/-マウスを使用して急性期モデルでの評価を行い、IL-17、好中球の関与およびIL-17A-CXCL5 pathwayを評価する予定であった。2020年度前半は、急性病態からの移行期におけるIL-17や好中球の関与に関して、慢性期モデルを用いて評価し役割を解明する予定であった。2020年度後半から2021年度にかけては、慢性期においてもIL-17がkey cytokineであるかを判定する予定であった。
しかし、2020年度はCOVID-19流行に伴って、在籍する東京医科歯科大学にて動物実験自粛の方針が打ち出され、上記計画はほぼ行うことは不可能であった。また、2021年4月からはアメリカ合衆国のピッツバーグ大学への海外研究留学に伴う本研究の中断申請を行っており、2021年度・2022年度の2年間は全く本研究を進めることはできなかった。ピッツバーグ大学での研究留学終了に伴い、2024年1月に帰国し、2024年2月から本研究再開の手続きを行った。
上記研究留学中に、本邦でまだ報告の少ない、PCLS (Precision-cut lung slice) の技術を習得したこともあり、帰国後は同技術も応用した新たな実験系の確立も目指すこととした。また、もともと使用していた慢性過敏性肺炎の最頻原因抗原である鳩糞抽出物を使用した過敏性肺炎マウスモデルも使用して引き続き、IL-17の役割を検証する予定である。
また、本研究開始当初は、研究結果の中間報告も計画していたが、海外留学による中断およびCOVID-19による影響もあり難しい状況であり、2024年度に研究成果をまとめて学会で行い、その後論文作成を行っていく予定としている。

今後の研究の推進方策

本研究は、COVID-19感染症流行と研究代表者の海外研究留学に伴う研究中断のより、当初の実験計画から大幅に変更が生じている。主目的である、IL-17、好中球の役割を含めた過敏性肺炎の病態解明に変わりはないが、実験系や報告を予定する実験成果の範囲などが当初と異なってきている。
現在のところまでで、急性期でのマウス肺やTリンパ球を用いたIL-17の役割の検討などは行えているが、今後に関しては、研究代表者が海外留学中に習得したPCLS (Precision-cut lung slice) の技術を使用した実験系の確立ももう一つの目標として計画している。PCLSに関しての国内施設から発表されている論文数は、human PCLS 0件、mouse PCLS 1件であり、PCLSによる論文報告を国内施設から行うことは重要と考える。
最終年度である2024年度には、mouse PCLSによる実験系の確立を目指すとともに、慢性過敏性肺炎の最頻原因抗原である鳩糞抽出物を使用した過敏性肺炎マウスモデルのPCLSを使用した実験を行う予定である。これらの結果により、急性期ならびに慢性期の過敏性肺炎におけるIL-17、好中球の役割を含めた病態解明を行い、学会発表および論文報告することを目指す。
なお、C57BL/6に代表される野生型マウスは外部より購入し、IL-17A-/-マウスに関しては、東京理科大学医科学研究所岩倉研究室より譲渡いただき、本学実験動物センターで継続飼育し、実験使用する。全てのマウスは、本学実験動物センターで飼育ならびにPDEなどの吸入実験を行う。また、マウスへのPDE投与や解剖、qPCRやELISAなどの実験に関しては主に研究代表者が行うが、一部大学院生の協力をお願いする予定である。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2020 実績報告書
  • 2019 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] IL-17A 及ひγδT cell は鳥関連過敏性肺炎における 肉芽腫形成に関与する2019

    • 著者名/発表者名
      山名高志、石塚聖洋、宮崎泰成
    • 学会等名
      第68回日本アレルギー学会学術大会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書

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公開日: 2019-04-18   更新日: 2024-12-25  

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