研究課題/領域番号 |
19K17638
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
佐藤 正大 徳島大学, 病院, 講師 (80530899)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | fibrocyte / 間質性肺炎 / 細胞外基質 / microRNA / miR-21 / 細胞外小胞 / Fibrocyte / 線維細胞 / 肺線維症 |
研究開始時の研究の概要 |
特発性肺線維症は肺機能の進行性低下を特徴とする難治性疾患であり、新たな治療標的の発見は急務である。線維細胞は本疾患の新たな治療標的候補として注目されているが、その線維化促進作用には未だ不明な点が多い。近年、様々なマイクロRNAが組織線維化に関わる可能性が報告されているが、線維細胞由来のマイクロRNAについては未だ報告がない。我々は予備実験の結果、線維化組織における異常な細胞外基質の構築が、線維細胞のマイクロRNA発現を変化させる可能性を見出した。本研究では特定の細胞外基質成分が線維細胞の性質変化を介して更なる肺の線維化促進をもたらすことを証明し、これに基づく新たな治療標的候補の発見を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では線維細胞の分泌するmiRNAが肺の線維化に与える影響について検討した。検討の結果、線維細胞は線維化促進性miRNAを内包した細胞外小胞の分泌を介して、周囲の線維芽細胞に線維化促進効果を与えている可能性が示された。更に、線維細胞は線維化肺組織内で構築された異常な細胞外基質の影響を受けて、線維化促進性miRNAの発現量を変化させている可能性も示唆された。 これらの仮説についてより詳細なメカニズムを解明することができれば、線維細胞を介した新たな線維化促進性メカニズムを解明し、将来的な治療戦略に結び付けられる可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの肺線維症治療は線維芽細胞の増殖に関わる増殖因子を標的としてきた。細胞外基質(ECM)成分が種々の細胞機能に影響を与えることは広く知られているが、ECMを標的とした治療戦略は、肺線維症分野において試みられたことがない。 本研究は、線維化肺組織におけるECMが、線維細胞のmiRNA発現を変化させて更なる線維化進行に寄与するというメカニズムを実証し、その制御による新たな治療戦略の開発を目指すことを目的としている。これにより新たな線維化促進メカニズムを同定できれば、肺線維症を含む各種線維性疾患において、従来の治療戦略とは重複しない新たな治療戦略の開発に結びつく可能性がある。
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