研究課題/領域番号 |
19K17642
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
藤田 幸男 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (60571023)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | COPD / 呼吸波形解析 / 呼吸不規則性 / 呼吸困難 / 健康関連QOL / 増悪 / QOL / 心肺運動負荷試験 / 慢性閉塞性肺疾患(COPD) / 呼吸パターン / 労作時呼吸困難 |
研究開始時の研究の概要 |
慢性閉塞性肺疾患(COPD)の自覚症状のひとつである労作時呼吸困難はADLやQOL、生命予後と関連する。そのため、労作時呼吸困難を適切に評価する必要がある。申請者は、これまで、COPDの呼吸リズムに着目し、安静時呼吸波形の不規則性(不規則呼吸)がCOPDの労作時呼吸困難や増悪と関連することを明らかにしてきた。本研究では、COPD患者の不規則呼吸と労作時呼吸困難および心肺運動負荷試験で評価した運動耐容能との関連を検討する。さらに、COPDの治療介入前後で不規則呼吸が改善するかどうか検証する。本研究の目的は、不規則呼吸を治療ターゲットとしたCOPDの新たな治療戦略の糸口を得ることである。
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研究成果の概要 |
慢性閉塞性肺疾患(COPD)の主な自覚症状の一つは呼吸困難であり、呼吸困難の評価は重要である。本研究では、44名のCOPD患者の呼吸波形をモニタリングし、呼吸パターン(不規則呼吸)と呼吸困難やQOL、増悪との関連を検討した。一呼吸毎の一回呼吸時間と一回換気量の変動係数を算出し、呼吸不規則性指標とした。その結果、呼吸不規則性指標は、年齢、BMI、呼吸機能と関連を示さなかったが、呼吸不規則性が大きいほど呼吸困難を自覚しやすく、QOLは損なわれていた。また、呼吸不規則性指標は増悪の予測因子である可能性が示唆された。以上より、覚醒時呼吸不規則性はCOPDの病態評価として有用と考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
呼吸パターンは個々に固有のものである。今回、COPD患者の呼吸不規則性を調査した。その結果、COPD患者において、不規則呼吸が呼吸困難や健康関連QOLと関連し、さらには増悪の予測因子になりえることがわかった。今回用いた呼吸波形解析は、客観的で非侵襲的な検査法である。そのため、今後、呼吸波形解析が日常診療に組み込まれ、呼吸の安定化がCOPD治療の新たな治療戦略になり得る可能性を秘めていると考える。
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