研究課題/領域番号 |
19K17653
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
三上 浩司 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (70567205)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | KRAS遺伝子変異 / 肺癌 / 核酸治療 / microRNA / KRAS変異 / KRAS / 核酸 / スーパーアパタイト |
研究開始時の研究の概要 |
Driver Oncogeneの2番手でありながら、KRAS変異陽性NSCLCに関しては確立された治療がないのが現状で、MEK阻害薬であるselumetinibを用いた臨床試験でも有効性を示す事はできず、その原因の一つとして、FGFR1を介しAktのリン酸化が促進されるというbypass signalの存在が明らかとなった。miR-4689はMAPK/ERK経路の抑制だけでなく、Aktの蛋白発現そのものを抑制する可能性があるため、MEK阻害薬によって発生したようなAktを介した機序での耐性化は生じにくいと推測され、miR-4689を用いた核酸医療は臨床応用も十分可能と考えられる。
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研究成果の概要 |
これまでに色々な遺伝子変異を持った肺癌に対する治療法が開発されてきたが、KRAS遺伝子変異を有する肺癌の治療法は確立されていない。私達は、DNAから蛋白が作られる際の中間物質であるRNAに対する治療薬としてmicroRNAに注目した。これまでに開発してきたmiR-4689, MIRTXの効果を検討し、さらにKRAS変異肺癌で低下しているmicroRNAを網羅的に探索し、その中から最も良くKRAS変異癌に効くmiR-329-3p を同定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
MicroRNAは22塩基程度の短いRNA鎖であり、メッセンジャーR N A(mRNA)の3’UTR(非翻訳領域)に結合して、mRNAの蛋白への翻訳を阻害する。今回、我々が新たに見出したmiR-329-3pは低濃度でKRAS変異を導入したH292細胞の増殖をよく抑制し、更に悪性度の極めて高い肺小細胞癌に対しても著明な抗腫瘍効果を示した。これらの結果は、従来満足のいく治療法がなかった肺癌の治療に大きな希望を与えるものである。
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