研究課題/領域番号 |
19K17655
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 大阪大学 (2020) 国立研究開発法人理化学研究所 (2019) |
研究代表者 |
古川 可奈 (田村 可奈) 大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(PD) (70807461)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 肺NE細胞 / Neuroendocrine cell / 神経内分泌細胞 / NEB / lung / 感覚器 / neuroendocrine cell / メカノバイオロジー / メカニカルストレス / 肺 / 液性因子 |
研究開始時の研究の概要 |
呼吸は、肺が適切なサイズに膨らむことで空気を取り込み、適切なサイズに縮むことで空気を排出することである。この肺の動きを制御する重要な領域として肺の感覚器Neuroendocrine body(NEB)が注目されている。近年、神経内分泌細胞 (Neuroendcrine cell, NE細胞) が気管支の分岐点まで遊走し集団となることでNEBが形成されることが報告されたが、NEBがなぜ気管支の分岐点に形成されるのかは謎のままである。このことから、本研究では『NE細胞が気管支の分岐点にNEBを形成するメカニズム』を解明することで、呼吸の制御メカニズムの根元に迫る。
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研究成果の概要 |
本研究により、E14.5とE18.5の胎児肺を用いた一細胞シークエンス解析から、肺NE細胞の遊走時期特異的に発現している遺伝子を複数ピックアップすることに成功した。結果、Slit-Robo pathwayが肺NE細胞の一方向性遊走制御の一端を担う可能性が示唆された。また、Eph-Ephrin pathwayが末端気管支エリアの肺上皮細胞の分化を制御し肺NE細胞を適切な数に抑える可能性を示唆する結果も得られた。今後、本研究で得られた結果や作製したノックアウトマウスを用いて更に解析を進めることで、肺NE細胞の一方向性遊走制御メカニズムの全容を明らかにしたい。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
器官が持つ感覚器は器官の生理機能を発揮するためになくてはならないものだが、肺に限らずその研究は進んでいない。感覚器の研究は、再生医療分野において生理機能を持つ人工臓器を形成させるために必須である。 本研究では、肺の感覚器であるNEBに着目し、NEBの形成メカニズムの詳細解析に挑んだ。NEBの外環境応答能力に着目し、肺NE細胞が何等かの液性因子による外部刺激によって一方向性の遊走制御が行われていると仮説を立て研究を遂行した。 本研究の成果は、将来的に適切な場所にNEB形成を誘導させ、適切な生理機能を発揮できる人工肺誘導の実現へ向けた第一歩となったと考えている。
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