研究課題/領域番号 |
19K17667
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤原 隆行 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (40836441)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 肺高血圧症 / 血管新生 / 組織透明化技術 / 多光子顕微鏡 / 肺動脈性肺高血圧症 / 多光子励起顕微鏡 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は、独自の検討により、多光子励起顕微鏡を用いた最新の顕微鏡技術に臓器透明化技術を併せて用いることで、マウス肺組織で数mm程度の深達度で三次元血管網を詳細に観察可能とし、二次元の病理切片では検出しえなかった生体内構造のダイナミックな変化を捉えることを可能とした。この三次元病理・病態解析システムを駆使して、肺組織リモデリングの詳細を明らかとし、分子機序の解明と制御を向けた基礎的研究を展開する。
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研究成果の概要 |
三次元イメージングシステムにより、各種肺高血圧症(PH)モデルマウスにおける微小血管の描出を行った。中等度のPHを呈する低酸素負荷PHおよび遺伝性肺高血圧症モデルAlk1+/-では微小血管新生を認めた。その一方で、低酸素負荷+VEGF受容体阻害薬(SU5416)投与では、血管新生像は認めず、重症PHを呈した。またXの発現が血管新生に関与することが網羅的遺伝子発現解析により示唆された。肺内皮細胞特異的X欠損マウスでは低酸素負荷において血管新生反応は低下しPHは増悪、その一方でX活性化薬は血管新生反応は増強させPHは改善した。この結果よりXはPH治療薬の新規ターゲットとして期待できると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
新規の手法の確立を行い、その応用により、過去には報告しえなかった動物組織の三次元的解析を実践することができた。また難治疾患である肺高血圧症において、新規の治療ターゲットとして期待の持てる因子の探索を行うことができ、新規三次元解析手法が単なる生物現象の観察のみにとどまらず、新規病態解明およびそれを応用した新規治療開発に有用であることを示すことができ、この手法を用いて、他の疾患においても病態解明・治療法開発を推し進められる可能性について示すことが可能であった。
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